組織の中で「正論」を通すために、優秀な人ほど「論理思考で武装しよう」と考えがち。でも、それでうまくいきますか?より重要なのは、「社内政治に負けない力」。誰も語らないその真実は…
あるいは、商品開発部門に同じ情報を持っていっても良いですね。今度は、「それって、本来はウチの部署がやる仕事のはず。ひと言釘を差しておかないと、ウチの存在意義が薄れちゃう」、と、また有益な情報になります。
それはあたかも、金融市場において微妙な価格の違いで儲けるようなもの。ほら、あるでしょう?同じ商品でも日米で微妙に価格差があって、売買によって利ざやを稼ぐ手法が。これにならって、社内で分散している(偏在している)情報をトレードすることを仮に「情報のアービトラージ」と呼びましょう。
先ほどの例で見たとおり、情報のアービトラージを上手に出来る人は頼りにされ、やがては影響力を発揮できます。すなわち、情報のアービトラージこそが政治力の源泉なのです。
当コラムでは、これから何回かにわたって、政治力を持つためのテクニックを紹介していきたいと思います。知っていると知らないとでは大違いですから、ぜひ一つでもマスターして社内政治で負けないようになりましょう。
社内政治に負けないための逆説的な方法論
というのが、表の話。
そして、ここからは、裏。このコラムで本当に実現したいことをお話します。
社内政治、有るか無いかと言ったら、それはもう、圧倒的にない方が良いんですね。「必要悪」の「悪」の部分に力点を置いて考えれば、組織文化を腐らせる社内政治は絶対悪です。
でも、だからといって目を背けては、社内政治をなくすことができません。
だって、あなたの周りにもいますよね?人が知らないのを良いことに、情報のアービトラージなどの様々な手練手管を使って、自分の利益のために政治力を発揮するクソみたいな人間が(失礼!)。
そういう人間に対抗するためには、こちらも社内政治のテクニックを知らなければいけないんです。ナイーブに、「社内政治なんてキライだ!」と言っているだけでは、クソみたいな人間にカモにされてしまうだけなんです。
だってそうでしょ?
「情報のアービトラージ」というコンセプトをひとつ知っただけで、見る目が変わってくるじゃないですか。「あ、やってるな」、と分かれば、対処のしようもあります。「政治的な動きをするなよ」、と牽制することで、やがては社内政治は少なくなっていくんです。逆説的ですけどね。
と、ここまで書くと、当コラムのタイトルがダブルミーニング(裏と表の二つの意味合いを持つ)に気づく人もいるでしょう。
表の意味は、「社内政治という場において、負けないためのスキルを獲得しよう」ですが、裏の、そして真の意味は、「社内政治なんかに負けず、正論が正論として通る、風通しがよい組織を作ろう」、なのです。
「社内政治『なんか』に絶対負けない法」
を一人でも多くの方に知ってほしいと思います。
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社内政治に絶対負けない法
2011.06.10
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