影響力を解剖する(6)影響力の源-2

2007.08.20

ライフ・ソーシャル

影響力を解剖する(6)影響力の源-2

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「影響力の源」は次の6つでした。 (米国の社会心理学者、フレンチとレイヴンの説) ・賞影響力 ・罰(強制)影響力 ・正当影響力 ・専門影響力 ・参照影響力 ・情報影響力

今回は、後半の3つについて簡単に解説します。

[専門影響力]

医者から、

“「タバコ」を吸うのは体に良くない”

と言われたので、長年吸い続けてきたタバコをやめることにした。

学問、スポーツ、料理、芸術など、
さまざまな領域において、人よりも豊富な専門的知識や技能を
身につけていることによって生じるのが

「専門的影響力」

その道のプロの言葉なら、素人の自分よりも信憑性が高いだろう
と影響の受け手が考えやすい。だから、影響力が高くなるわけです。

健康関連商品の広告では、よくお医者さんが登場しますが、
これは「専門的影響力」を購買意欲の喚起に活用しているわけです。

さて、「専門的影響力」が効果を発揮するためには、
影響の受け手が、相手の「専門性」を認めていることが前提です。

医師のように国家資格の場合は、
資格を取得していることで「専門性」が担保されますから、
上記の点は問題なりません。

しかし、たとえば「経営コンサルタント」のような職業の場合、
「専門性」を担保されるような資格は実質存在しません。

MBAホルダー=名経営コンサルタント

とは限らないのは言うまでもないですよね・・・

そこで、『影響力を解剖する』には、
専門影響力を高める方法として、

受け手に対し、折に触れて

「自分の専門性の高さ」

を呈示していくことが挙げられています。

こうした機会を積み重ねることによって、
「専門性の高い人」というイメージが強化されていくわけです。

ですから、様々な分野の専門家が、
現在、ブログやメルマガで積極的に情報発信を
行っているのは、

「専門的影響力」

を向上させるためなのです。

逆に言えば、
どんなに自分では専門性が高いと思っていても、
情報発信を通じた「専門性」の呈示が十分でない場合、
専門的影響力は高まりません。
(誰もが認める専門的な資格を取得している場合を除いて)

結果的に、

「話を聞いてもらえない、信頼されない」(=仕事が来ない)

ということになりますね。

なお、「専門的影響力」を
自分の利益誘導のためだけに活用した場合、
相手からの信頼を失ってしまうことも忘れてはいけません。

たとえば、私の経験ですが、以前通っていた歯医者さんで、
保険の効かない高額の金歯をかなり強引に勧められたことが
ありました。

金歯の方が良いのはわかりますが、
その歯医者さんは「金儲け主義」に走っている印象が強くて、
治療途中で、別の歯医者さんに切り替えてしまいました。

[参照影響力]

「参照影響力」は、

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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