~高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ~ 1980年~90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。
< 実行・・・。 使命・・・。 いつも簡単に口走ってる言葉
やけど・・・。 どう思うていわれても答えようないな・・・ >
「実行という字は{実際に行う}ということだ。
いくら素晴らしい戦略を描いても実際に行動に移さないと意味がない。
だけど、実際に行動を起こすということがどんだけ大変なことか。
総合商社という環境は幸か不幸かよく出来ていて、考えるだけでは
給料をもらえないよ。
机と電話しかない環境に日柄座っていても、何も生まれないし、仕方
ないから外に出るしかない。
< そういえば関のおっさんに、何で席に座ってんねん!?と
何度も怒鳴られ、いったい何回外に蹴りだされたか・・。
ほんま >
柴田は、宮田がうなづいているのを見届け、続けた。
「自然と行動するしかない環境なんだな。 商社に評論家はいらない。
実際に自ら現場に飛び込んで、自分の目で見て、肌で感じて、
生身の相手とやりとりをして行く先を切り開いて行動するのが
商社マンだ。
それともうひとつ。
{使命}という文字。
よく、{あの人は、使命感にあふれている}とか、
{使命感に燃えた人}とかいう用途で使われる。
その人の行動を賞賛するケースがほとんどであるよな。
字を分解すると、{命を使う}となる。
宮田君。この意味判るか?」
「命を使う・・・ですか?」
「そうだ。文字通り命を使うほど真剣に行うということだ。
これが商社マンの本質的な行動原理なんだ。
実際海外の発展途上国などで事故や戦争、テロなどで怪我をしたり、
最悪、命を失った先輩も少なくないからな」
宮田の心の中には、柴田の話を聞いていて、いろいろ困難はある
けれど、早く海外に行って、見ず知らずの異国の地で、思いきり
ビジネスをし、結果としてその国の人々の喜ぶ顔を見てみたいと
いう思いが沸々と湧いてくるのであった。
次回に続く。
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商社マン しんちゃん。 走る!
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