前回、お話しした演繹法について、 今回は、その限界や落とし穴を解説してみますね。
業界他社の成功のルールを知る → 「自社のルール」をブレイクスルー
異業種の成功のルールを知る → 「業界のルール」をブレイクスルー
ベンチマーキングによって、自分の持っている既成概念を破ってください。
<イレギュラーサンプル>
あるいは、敢えてイレギュラーサンプルに着目するのも有効です。
仮に、規模が大きい会社が高利益率をあげている業界があったとします。
そのなかで、一社だけ小規模なのに高利益をあげている企業がいれば、
その企業がイレギュラーサンプルですね。
そのイレギュラーサンプルの成功理由を研究してみましょう。
そこには、今まで業界常識とされていた「大規模が儲かる」という
既存のルールを破った、新たな成功のルールが存在しているかもしれません。
■ 宅急便の営業所はいくつ必要か?
ヤマト運輸で宅急便の事業開発に成功した小倉昌男さんは、
著書「経営学」のなかで、
「宅急便によって、全国に荷物をは立つするためには、
いったいいくつの営業所を作ればよいのか問題だった」
と語っています。
そこで、彼は仮説を立てました。
【第一仮説】
・日本の面積37万㎡を半径20Kmの円で埋める
彼は、実際に地図を買って来て、チャレンジしたそうです。
とても、大変な作業で、途中で断念したそうで、、、(笑)
ここで、彼が素晴らしいのは、「仮説の立て方がまずかった」と気づき、
市民生活に関係のある施設の数を調べたそうです。
まさに、ベンチマーキングですね。
【第二仮説】
・郵便局の数を参考にする
全国に郵便局は5000局あるそうです。
しかし、郵便局の主な仕事は信書の配達ですから、
ここまでは必要ないと仮説を立てます。
【第三仮説】
・公立中学校の数を参考にする
これは、全国で11,250校あるそうで、
これが分かった瞬間に、「第二仮説」に基づき、
公立中学校はあまり参考にならないとわかります。
もっとも中学校の多くは徒歩通学を基本としていますから、
車で配達する宅急便の営業所数の仮説を立てるには、
適切なベンチマーク先ではなかったということですね。
【第四仮説】
警察署の数を参考にする
これは、全国で約1200。
これは参考になりそうだと判断し、
営業所展開のガイドラインとしたというのです。
素晴らしい論理力と仮説構築力ですね。(^^)
私も是非見習いたいと思いました。
次回は、帰納法について、その本質を掘り下げたいと思います。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
(編集部ピックアップ再掲載)
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仮説構築の技術
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