仮説を構築する中でも、よく直面するのは「将来予測」ですね。 私は、占い師でも未来予言者でもありませんから、 そもそも将来を予測するなんて芸当はできません。 でも、コンサルタントという仕事についているからには、 どうしても必要となるスキルなんですよね。 で、今回は代表的な将来予測の技術を2つ紹介します。
■ トレンド分析
これは、とてもシンプルな予測手法ですね。
基本的な考え方は、
「過去のトレンドが、今後も継続する」という前提で推定する方法。
これで有名なのは「ムーアの法則」というやつですね。
ムーアの法則とは、
「半導体の集積密度は18~24か月で倍増する」という法則です。
これは、ゴードン・ムーア博士が1965年に経験則として提唱したそうですが、
実際に、過去のトレンドをグラフ化すると、きれいな相関関係が描かれます。
【御参照】インテルのHPより「ムーアの法則」
このように過去のトレンドを手掛かりに将来を予測することができます。
それをさらに高度化して考えると、多変量解析など統計手法を用いて、
複数の変数の変化から将来予測もできるはずですよね。
ちなみに、内燃エンジンの重要あたり出力なども、
きれいなトレンドを描いている代表例です。
■ デルファイ法
これも、主に技術予測などに用いられることが多い手法ですが、
有識者の意見を集約して将来予測とする方法です。
<手順>
(1)有識者に対し、アンケートを実施
(2)その結果を集計し、レポート化
(3)そのレポートを有識者にフィードバックし、再検討してもらう
この「アンケート」→「フィードバック」→「再検討」というサイクルを
何度か繰り返して、予測の収れんを図っていく方法です。
有識者も、周りの意見で見解をひるがえすんですかね?(笑)
【御参照】デルファイ法の事例
日本の科学技術の現状と今後の予測
将来予測の代表的なこの二つの手法は、
必ずしも精度を約束するものではありません。
しかしながら、企業が戦略を考えるときに、
よりどころとなる「将来予測」が必要となることが多いはずです。
この予測をもとに、しっかり戦略を立て、
その前提が狂えば素早く修正するという迅速さが
企業や組織としての戦略スキルかもしれません。
また、将来予測手法は材料となる「過去の情報」や「有識者の見解」が
必要となりますが、仮説を考えなければならないのは、
必ずしもそのような内容ばかりではありませんよね。
次回は、もっと現実的なビジネスで直面しやすい「見えない現状を知る」を
テーマとして取り上げてみたいと思います。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
仮説構築の技術
2009.04.13
2009.04.09
2009.04.07
2015.07.29
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2015.07.13