仮説構築の技術(4)~思い込み回避の俯瞰思考

画像: Franklin Heijnen

2015.07.27

仕事術

仮説構築の技術(4)~思い込み回避の俯瞰思考

家弓 正彦
株式会社シナプス 代表取締役

ヒトには、必ず思考のクセや先入観、思い込みなどがあると思うのです。 この思考のクセというヤツが仮説には大敵ではないかと思うのですね。

以前投稿した「そもそも仮説とは何か?」の記事にて、
仮説と思い込みの違いはお話ししましたが、
まずは、この思い込みを回避するために、
今回は「俯瞰思考」について考えてみたいと思います。

■ 可能性を考える


仮説には、その局面において様々な仮説を考えると思いますが、
果たして、そこに思い込みが入っていないか心配です。
そんな時にこそ、「可能性を見極めること」が重要だと思うんです。

可能性を見極めるためには、まず俯瞰思考を持つこと。
仮説の全体像をしっかり概観することを意識しましょうね。

■ ロジックツリー


そのためのツールとしてはロジックツリーが有効だと思うのです。


例えば、「PCがトラブった」という現象に対して、
その原因に関する仮説を考えてみましょう。

大きくその原因を分解して考えてみると、
「ハードウェア」と「ソフトウェア」に分けて考えることができそうです。
つまり、ロジックツリーで描くと、

             -ハード
PCトラブルの原因-
             -ソフト

こんなツリー構造が描けます。
しかし、ここで改めて俯瞰思考に立って、問題意識を持ってほしいんです。
これで全てか?可能性は網羅できているか?

■ MECEであること


MECEとは、ミーシーあるいはミッシーと発音しますが、
Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略です。
その意味は「ヌケモレなく、ダブりなく」という意味ですね。
つまり、PCトラブルの原因は、「ハード」と「ソフト」に分解して、
「キチンとヌケモレなく、ダブりなく分解できているか?」
と、自問してください。

すると、どちらにも分類入りにくい要素として、
「ネットワーク」の問題が考えられそうだと気づけば成功ですね。
当初の思い込みには、偏りがあったと反省できます。

つまり、MECEチェックによって、思い込みは排除できるんです。

■ 分解の切り口


このロジックツリーを描くときに最も困るのは、
その分解に用いる切り口の設定です。
フェルミ推定でも、分解の技術は使いましたが、
やはり「分解」は仮説構築のカギとなるんですよね。

しかし、こればかりは「絶対ルール」は存在しないので、
様々な試行錯誤をして欲しいところなのですが、
そう言っては、戸惑うばかりでしょうから、
ここでは、よく用いられる切り口の一例を示しておきますね。

1)定量軸:これは定量化できる概念を一定の幅で分解します。
  ex. ~ 10歳 ~ 20歳 ~ 30歳 ~ 40歳 ~ 50歳 ~ 60歳 ~

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家弓 正彦

株式会社シナプス 代表取締役

マーケティング戦略を中心としたコンサルティング、マーケティングに特化した教育プログラムの提供を行っています。

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