前回、お話しした演繹法について、 今回は、その限界や落とし穴を解説してみますね。
■ ルールの本質を知る
しかし、ルールをたくさん知っていれば良いんですかね?
意外と適切なルールを適用することって難しいんですよ。
例えば、「規模の経済」というルール。
御存じのとおり「規模が大きくなれば、コストダウンする」というルールです。
一見、正しいルールですが、どんなビジネスでも規模拡大がコストダウンの
絶対ルールでしょうか?
「規模の経済」の本質は、固定費が分配されることで、
単位あたりのコストが下がるというものです。
つまり、固定費ウェイトの高いビジネスには非常に有効ですが、
労働集約産業のような変動費の高いビジネスでは、
それほど大きな効果をもたらさないこともあります。
つまり、「規模の経済」の本質、バックボーンなどをちゃんと理解しないと、
誤った結論を導き出してしまう可能性があるわけです。
ex.(どんな場合でも)「コストダウンには規模拡大が有効である」
■ でも最後は自分のルールを作ること
これまで述べてきたように、経営理論には、様々な定石がありますが、
それを表面的に暗記するだけじゃダメということですね!(^^)
なぜこの定石が成り立つんだろう?という問題意識を持つことが大切です。
経営理論にある定石は、あくまで汎用化した一般ルールですから、
皆さん一人ひとりのビジネスを対象としているわけではないんです。
これが経営理論における様々なセオリーの限界です。
使えるルールはどんどん経営理論からパクれば良いと思いますが、
やはり「自分のルールは自分で作る」が基本でしょう。
そのためにも、モノゴトの本質を見極める「眼力」が求められるはずです。
このあたりの話は、また次回以降に、、、
■ ルールに思い込みが入っていたら、元も子もない
当たり前のことですが、ルールに思い込みが入っていては
確からしい仮説は生まれないのは言うまでもないことです。
観察事項「A君は体育会出身だ」
ルール 「営業は体力勝負!」
仮説 「A君は営業に配属しよう」
ここで、ちゃんと見極めてほしいのは、
「営業は体力勝負!」というルールのバックボーンです。
→ なぜ「営業は体力勝負なのか?」
→ そもそも「優秀な営業マンの要件は?」
この問いに、明確に答えられるなら、
自信を持ってA君を営業に配属しましょう!(^^)
■ 様々なルールに目を向けるために
<ベンチマーキング>
ということは、俯瞰思考のところでも述べたように、
自分の視野を広く持って、様々なルールに目を向けることが求められます。
そのために、ベンチマーキングは有効な手段ですね。
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仮説構築の技術
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