クリエイティブとロジックの相補性

2009.03.02

仕事術

クリエイティブとロジックの相補性

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

クリエイティブというと、岡本太郎さんのような芸術家を思い浮かべて、ロジカルという印象とは程遠い人も多いでしょう。ロジカルと言うと、学者やコンサルタントを思い浮かべる人もいますね。こういった考え方すると、この2つの能力を相反して捉えるのは自然にも思えますが、私はそうではないと思います。

 クリエイティブな部分はマネジャーがやっちゃうことが多いですよね。

 まあ、細かいリサーチでも、小さな当初仮説は必ず必要ですけどね。

 論理性と創造性、コンサルタントは両方必要なお仕事で、ビジネスプランニングは両方必要です。

 必要なのはわかったけど、創造性はどうつけるの?という疑問がわくかもしれません。確かに、おっしゃるとおりです。

 私がお勧めするのは、入力量をひたすら増やすということ。あと、入力をする時に、全く違った種類の情報に結びつきが生まれる可能性を自分に問いながらやること。

 例えば、ある企業の課題に対して、インスピレーションを得たい時。

 私だったら、5冊の本を用意します。そういう課題に対しての答えがありそうな本を3冊。怪しそうな本を1冊。全く関係なさそうな本を1冊。

 それぞれを同時並行で読みます。

 そして、それぞれの本のキーワードを並べてみます。

 で、その企業の課題に関係ありそうなものは何?というのを自分に問うてみます。

 そうすると、なんとなく、これ、と思うものが出てきたりします。

 そうしたら、またそのキーワードがテーマになっている本を5冊ぐらい持ってきます。

 そして、また同時並行で読んでみます。

 この作業をやると、なんとなくインスパイアされることがけっこうあります。そして、仮眠するなり、ご飯食べるなりしていると、答えが沸いてきたりします。

 まあ、本を10冊も買うから、お金かかりますけどね。

 時間が無い時に、焦らずにこの作業をやるのは、けっこう難しいかもしれません。でも、私は答えでなかったことないし、という思いでやっているので、気楽ですけど。

 制限時間内にきっと思いつくだろ、と思いながら、ゆったりしている暇はなくても、ゆったりやっています。

 そうすると、答えは降ってきます。

 当然、限界まで論点について、関係性については考え抜いた後でやるんですよ。当初は、相当論理的につめてから、煮詰まってからしかやらないで下さいね。

 でも、慣れてくると煮詰まらないでこれをやっても、意外とスムーズに検討が進められたりします。

 嘘かまことか、コンサルタントはこんなことやってるの?と思うかもしれません。まあ、みんな論理的なふりをしていますが、発想が欲しい時は、いろいろと人に言わないことをやっているものです。

 だって、ロジカルじゃないと、この人おかしい!と思われてしまいますからね。

 さて、今日のお話しは上手く伝えられたでしょうか?それとも意味不明だったでしょうか?この辺が私の表現力の限界かもしれませんけどね。

 皆さんが何か受け取れるものがあればいいな、という思いで書いております。シンキングメソッド系はしばらく書いていこうと思います。それでは次回をお楽しみに。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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