仮説検証アプローチとミッシーな論点

2009.02.22

仕事術

仮説検証アプローチとミッシーな論点

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

今日は西欧近代科学はなぜここまで発達したのか?というお話しです。それは仮説検証というアプローチが優れていたからですね。仮説を立てて、実験をして証明する。その知見をベースにまた新たな仮説がたっていく。そんな積み上げ作業について、今日はお話しします。

 仮説検証アプローチのお話しをする時に、私は必ずメンデルの「遺伝の法則」のお話しをします。

 高校生の頃、生物の授業で出てきましたね。私は生物が非常に苦手でしたが、この頃までは、なんとかついていっていました・・・。

 話しを元に戻しましょう。

 メンデルさんはえんどう豆で実験をして、3つの法則を発見したんです。

 優性の法則、分離の法則、独立の法則ですね。

 背の高いえんどう豆と、背の低いえんどう豆があるが、背の高いものどうしを交配すると、背が高く育ち、背の低いもの同士を交配すると、背の低いものになりました。

 では、背の高いえんどう豆と、背の低いえんどう豆を掛け合わせると?ということで、掛け合わせたところ、全て背が高くなりました。

 その背が高くなったものを自家受粉すると、背の高いものが3、背の低いものが1の割合になりました。

 では、背の高い低い以外に、豆にしわがある、しわがないなどのものをかけあわせたところ、背の高低と、しわの有無は関係せずに、その内部で閉じて遺伝することがわかった。

 といったものですね・・・。わかりました?

 メンデルは8年にも及ぶ実験をして、この法則を発見しています。

 でもまあ、実験は検証するためのものです。

 ある程度、はじめからこうではないか?と考えて検証のために実験をするんです。だから、メンデルにはある程度、こうなるという予測があったのでしょう。

 そう、ある程度はじめから予測を持っている。しかも、ある程度正しいことがわかる。人間にはそういう能力があるんですね。不思議なことに。

 ある意味、直感に近いですね。でも、はずれることもあるから、実験で検証しないといけない。

 これが仮説検証アプローチと言われるものですね。

 メンデルの実験データには疑惑もあります。この試行回数でこんなにきれいな結果がでるのでしょうか?というお話しです。

 捏造か捏造でないか?には諸説ありますが、ただ、遺伝の法則自体は再現性があると言われています。

 人間の仮説を作る力というのはすごいですね。

 学習をする時にも、実は仮説をたてたほうが、仮説をたてずに学ぶよりも、学習効率が高いそうですね。より、覚えられるそうです。

 そうすると、コンサルタントは仮説を作りまくって、検証をしまくっていますので、覚えている確率が高まるんでしょうね。

 確かに、コンサルタントは記憶力が高いように見えるのはそのせいでしょうね。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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