『エヴァンゲリオン新劇場版:破』の公開日が今年の6月27日(土)に決定した。その記念に、「エヴァ」オタクである宇多田ヒカルを勝手に心配してみたいと思う。 そこに、アーティストとしてのヒッキーの魂を感じるのである。
「いつも”逃げたい”という気持ちとか、ね(笑)。私はずっと自分がこの世界にいないような気がしていた。消えたいとかって。15歳でデビューして、 有名になって、自分が望んでいないものがポンと入ってきちゃって。周りからは『幸運』みたいな言い方をされるけど。私からするとこんな十字架みたいな役 目なんかいらない。そう思っていた部分があって、普通に大学に行って、会社に入ってとか、ね。今は自分の環境とか仕事とか立場とか全部に対して和解した けど。今、実際、起きている世界でいいじゃんって。仕事を辞めても私は私だし、と考えたら、いろんな未来が見えてきて、いろんな可能性があった。気が楽になって。シンジ君が好きというか自分自身に近いから彼には共感できるのかも」
「エヴァの魅力は、すべての根源というか源がテーマだから。誰しもが人として、生き物として持ってる共通点の一番低い値を突きまくっているから古くなりえない。私がエヴァから感じ取ったのは、家族との距離、他人との壁、寂しい気持ち。ある種、ダシそのもの。鰹節と昆布の塊でできている作品だから、味が古くなることはない」
「碇シンジ」がエヴァに選ばれ、苦悩したように。
「宇多田ヒカル」も、選ばれてしまった者として、『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』って、おのれの内面と葛藤し、苦悩してたのか。痛い痛いと言いながら、宇多田ヒカルは、エヴァンゲリオンに乗っていたのだ。
宇多田ヒカルの発表する歌の批評には、その曲づくりの危険な部分が良く指摘されている。誰もが安心して聴けるという意味でのセーフティーさがなく、メロディーを作っている音の長さと高さの選び方が普通じゃないらしい。長い音の後に急に短い音が連続したり、突然予想できない高さに動いたりするのだそうだ。これって、エヴァに乗ってる碇シンジの精神性そのものじゃないか・・・。
これから、どうなるのだろう?大丈夫か、宇多田ヒカル?
ひとりのファンとして心配である。
悪魔で推測だが、こういう精神性のヒトの暮らしは、とかく不安定である。
だって、碇シンジがそうだもの。
碇シンジは、エヴァに乗ることだけが、その不安定を脱する手段で・・・
また、乗りながらも『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』ってなる。・・・永遠に続く。
宇多田ヒカルにとっての楽曲づくりは、エヴァに乗るようなものなのだろう。きっと。
そうして、エヴァのために作った楽曲が「Beautiful World」である。
「Beautiful World」っていう世界自体(実は)存在しないんだけど、どんな場所であっても、誰か深く想える人が存在していることで、そこがいるに耐えられる場所になるんでしょ、って思って。
なんか、生きること、「生」ってほんと耐え難いものじゃない?。なんかそれに耐えうるよりどころ….これがあるから生きてようとか、これがあるからいられるなここに…みたいなものがあるから「Beautiful World」と言えるっていう。逆にそれがなかったら、「なんだこんなクソ世界!」っていうところに行っちゃうんだけど。だから願いに何の価値ないと思うんだけど、願わずにいられないから、もう認めるしかないじゃない。」
次のページ『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』・・・・。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。