「財政政策」「金融政策」では不況の出口が見えにくい。最後の不況対策は、『戦争だ』。そんな、居酒屋会談をしているビジネスマンは多いと思う。ほんとにいいのか?いいわけないっ。
・・・なんて、ここまでが、最後の不況対策を「戦争」だという論の最低限の知識だろう。
そして、人類の最大の発明は、「誰にも終わらせられない戦争」なんだよ。なんてビールをひっかけながら発してみると、それらしく見える。きっと。
しかし、そんな軽い不況対策を他所に、昨夜、こんなニュースが流れた。
作家の村上春樹(Haruki Murakami)さん(60)が15日、イスラエル最高の文学賞「エルサレム賞(Jerusalem Prize)」の授賞式で記念講演し、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃を批判したという。
現地英字紙エルサレム・ポスト(Jerusalem Post)によると、スピーチに立った村上さんは、ガザ地区に 対する攻撃を理由に、日本国内で受賞や式への出席辞退を求める声があったことを紹介。「イスラエルを訪れることが適当なことかどうか、一方を支持すること にならないかと悩んだ」と明かした。そして考えた結果「作家は自分の目で見ていないこと、自分の手で触れていないものは信じることができない。だからわたしは自分で見ることを選んだ。何も言わないよりも、ここへ来て話すことを選んだ」と述べた。
また人間を壊れやすい卵、制度を壁にたとえ「固い、高い壁があり、それに1個の卵がぶつかって壊れるとき、どんなに壁が正しくても、どんなに卵が間違っていても、わたしは卵の側に立つ。な ぜならば、わたしたち1人1人は1個の卵であり、ひとつしか存在しない、壊れやすい殻に入った精神だからだ。わたしたちが立ち向かっているのは高い壁であり、その壁とは制度だ」と語った。
中川財務相の酩酊会見が報道番組を賑わした昨夜、そのスピーチ内容をすべて流すテレビはなかった。しかし、このスピーチの全翻訳が、どの局よりも早く個人ブロガーの間で広がったことに、「世の中って捨てたものじゃないと」と思わせてくれる。
その駆け巡ったスピーチ全文の最後は、こう締められている。
『ぼくら人なるものはすべて、個々の、脆弱な卵なのです。壁に逆らうことなどかないません……それはあまりに高く、陰気で、冷ややかなのですから。ぬくもり や強さを求めて魂をひとつにする、ぼくらはそうやって壁と戦うよりほかないのです。決してぼくらを、システムのコントロールに――ぼくらがつくったものに 委ねてはなりません。ほかならぬぼくらが、そのシステムをつくったのですから。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。