土曜日の夜に松山ケンイチさん主演の「銭ゲバ」を見ました。「今の格差社会が許せないだろ」「格差なんてずっとありましたよ」というやり取りを見て、そうだよなあ、と思いました。でも、一億層中流と言われた時代からいつの間に格差社会が到来したのでしょうか?
まあ、話しを元に戻すと、意識調査から上、中、下の意識変化を言うのは難しいそうです。年収調査も平均のデータしかないので、上流、中流、下流の差はわからない。
でも、感覚的には、今現在、格差がすごくあることが強調されているような気がする。
テレビでは、下流な生活をしている人々が報道される。年越し派遣村に人が集まったと言われている。ほとんどが派遣とは関係ないホームレスが集まったとしても、まあ、ホームレスな人がいること自体は下流の存在の証拠にも見える。
セレブな生活をしている人も出てきている。自分の派手な生活を公開している社長もいる。その社長の会社の株を買って大損をした人が、ブログで公開された渋谷で働く社長のパーティーの様子を見て、恐喝をして逮捕されたりしている。
その社長は「何を怒っているのか全くわからない」とコメントをする。
ただ、意識調査をなんとなく読むと、年収データの詳細な比較をしないとなんともいえませんけど、格差は多少は広がってきているのかもしれません。
ただし、その実態以上に格差が強調されているようにも思います。
この傾向は感覚論で言いますと、2000年のベストセラー、ロバートキヨサキさんの「金持ち父さん、貧乏父さん」以降の傾向のような気がします。
それまで、サラリーマンは豊かだと思っていたのに、そうではない!という主張が日本人に響いたように思います。みんな、お金持ちがいることに気が付いてしまった。
成功法則本が流行りだしたのも、この頃のように思います。
で、銭ゲバの「格差なんてずっとありましたよ」というセリフがすごくまっとうに聞こえてきます。私が小学校の頃、いや、中学校の頃でも、すごくすごく小さな家に住んでいる人はいました。
遊びに行くと、すごく不思議な感じがしたのを覚えています。
そういった人たちにしてみれば、何を今更、というところのように思います。
2000年以降、10年をかけて、実態以上の格差のイメージを作り上げてきたのでは?とすごく思います。この10年は、格差イメージを肥大させた10年だったのではないでしょうか?
その実態以上の格差イメージが何を生むのでしょうか?
なんらかのエネルギーになって、社会をよい方向に変革してくれるなら、それでOKだと思います。
ただね、渋谷の社長を恐喝してしまった人のように、犯罪に走ってしまう人が出るのは果たしていいことなのか?
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。