このご時世に儲かっている会社がある。経済はドシャ降りだけど、業績は常に堅調でピーカン。 羨ましいかぎりの会社、それは、世界で最大の気象情報会社『株式会社ウェザーニュース』である。そんな企業から、未来への雲行きを学びたい。
最後に、『株式会社ウェザーニュース』が産まれた経緯も「おもしろ会社.com」に掲載されている。
そもそも21年前に石橋が気象情報の事業に入った経緯からして劇的だ。当時、総合商社の一つであった安宅産業で石橋は木材ビジネスに従事していた。
そこで、石橋の将来を決める事件が起こった。それは米国から輸入する木材の積荷を、当初は大阪港で荷揚げする予定だったのを石橋が小名浜港に入れる指示を出したことから始まった。大阪港は荷役状況が混み合っており、荷揚げまで10日近く要したので、石橋の判断で小名浜に回したのだ。ところが、そこで爆弾低気圧が発生し、船は沈没、15人が死亡する大惨事となったのである。
石橋は責任を感じ、米国の気象情報会社オーシャンルーツ社へと移る。日本支社に勤務した後、2年後に副社長として米国で勤務。その後、日本支社長になって戻った。
日本でビジネスをしていると、気象に関する幅広いニーズが存在することが分かってきた。ある企業は、陸揚げした積荷を倉庫に運ぶ際の天気を調べられないかと、石橋に聞いてきた。また、噂を聞きつけた旧後楽園球場がピンポイントの天気予報を聞いてきたこともあった。
気象予報のニーズはもっと大きい。そう判断した石橋は親会社に業務の拡大を申し出る。だが、親会社はそんな事業は認めない。それじゃあ顧客のためにならないと、石橋は独立したというわけだ。ちなみに、現社長の草開千仁はその当時の新入社員である。
良い会社の起業には、やっぱり物語がある。情熱がある。
経済の雲行きや、お金の流れを予測して始まった起業ではない。
そんな、『株式会社ウェザーニュース』なら、どしゃ降りの経済を、なんて予報してくれるだろうか・・・。
きっと「明けない夜は、ない」。「やまない雨は、ない」。
天気予報が、「天」の「気分」を予報する仕事であるなら、
現況のメディアよりは、もう少し前向きな気分にしてくれる予報をするのではないかと思う。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。