2009.01.10
社会的使命(ソーシャルミッション)の共感が優秀な人材を引き寄せる
中島 康滋
経済環境が悪化する中、キーパーソンまでもが流出してしまい、企業の未来が一気に傾いてしまうケースが続出しています。優秀な人材を確保していくために企業がすべきこととは何でしょうか?
優秀な人材までもが流出してしまう現状
派遣の雇用問題が勃発している中でも、エグゼクティブ人材市場は人材の確保に必死です。
この景気後退のご時勢だからこそ、優秀な人材をいち早く確保し、経営の建て直しや効率化を推進しなければなりません。
私も一時期、エグゼクティブのヘッドハンティング企業に登録していたこともあったのですが、最近、たびたび思い出したかのように担当者から電話がかかってきてしまいます。(笑)
一方、企業のリストラが進む中で、本来残って欲しい人材をもが流出してしまうというケースは多々見受けられます。
しかし残念ながら、優秀であるからこそ、企業の限界を察知する感覚も優秀です。
「沈没する船からは先に逃げたほうが安全」という風潮があります。
それは、人が出て行ってからでは辞めにくくなる、という現状があるからです。
また、リストラ後の混沌とした社内整理をするよりも、新天地で気分新たに仕事をするほうが前向きな仕事ができるという考え方の人もいます。
ですから、これを機会に自分の仕事のスタンスを見直し、自らのモチベーションが高くなるような企業へと転職を決意する人も多いはずです。
企業としては引き止めますが・・・・・「時すでに遅し」ですね。
海外では、優秀な人がgoogleへ吸い込まれるように転職している現状があります。
社会的ミッションがはっきりしている企業には、チャレンジしたい気持ちが「うずく」のかもしれません。
企業の社会的使命への共感
企業の社会的使命(ソーシャルミッション)が「働く」というモチベーションに深く影響していることを、経営者はもっと自覚しなくてはなりません。
ただ働くなら、お金がいいだけなら・・・・どの企業で働いても一緒ですよね。
たとえば、労働条件が同じで環境もそこそこ快適だったとします。
違いは、社会的に良いことをしている企業とそうでない企業とします。
あなたならどちらの企業で働きますか?
社会的使命を持っている企業のほうが、働いていても「やりがい」を感じる人が多いのは事実です。
そうしたミッションを持っている仕事への印象は比較的良いものになります。
・人に喜ばれる
・持続可能な企業
・地球にやさしい=人を大切にする
・将来的な展望が明るい
そして、そういうミッションを持つ企業には、「できるだけ長く関わりたい」という思いが強くなります。
短期的に稼いで技術を身につけて出て行こう・・・という気持ちではなく、自らのワークスタイルやライフスタイルと照らし合わせながら仕事をしていくためです。
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