企業が社会化しないと生き残れない時代に入ってきました。単なる対処的なCSRから戦略的な事業の社会化に向けて本格的に舵取りを迫られてきています。
社会化を迫る経済・環境の状況
2008年の様々な出来事は企業の行く末をとても不安にさせています。
景気は悪化するといわれ、破綻が相次ぎ、経済状況が悪くなることは誰が見ても明白です。
その上、地球環境問題への関心の高まりによって、企業が環境対策などを講じる必要が出てきています。
石油価格は下落したとはいえ、環境設備投資や研究投資はリスクでありコスト増に結びつきます。
ですから、トヨタでさえハイブリット車用の燃料電池の開発や量産に躊躇するわけです。
このような状況下において、営利企業は営利のことだけを考えていていいのでしょうか?
日本ではライブドアショックからはじまり、アメリカの金融不安からリーマンブラザーズの破綻、トヨタショックなどがありました。
20世紀は自己の利益追求が盛んに行われました。
そのことによって技術革新もされ、経済も成長しました。
ですが結果として、地球環境問題や世界的な金融不安という状況を突き付けられてるのも現実です。
突きつけられた現実に、私たちはどう対処すべきなのでしょうか。
消極的なCSR活動
近年、CSR(企業の社会的責任)が問われはじめています。
そこで企業は、とりあえず「環境に優しそう」な方法を選び、消費者の気を何とかひきつけようと努力しています。
どちらかというと現在のCSR活動はあまり積極的なものではありません。
企業のメンタルヘルス対策のように、保険のような役割であり体裁的な印象が強く、「右へ習え」で広報部門の一部に存在しています。
しかしこのCSR部門も、この不景気です。
不景気にカットされるのは3Kですね。
交際費. 広告費. 教育費・・・加えて今は雇用までカットされ始めています。
現在のCSRは広告費の一部という会社がほとんどです。
社会的責任を全うする前に会社の存続が危ない・・・そんな声も聞こえてきそうです。
果たして、CSRはコストなのでしょうか?
事業の社会化で、CSRを戦略に変える
ここで改めて見直したいのですが、企業は何のために存在しているのか?ということです。
法人には設立の趣旨があり動機があり、目的があり役割があります。
もちろん、良い製品やサービスを作り出したり、雇用そのものを創出することも重要ですし、株主への配当が不可欠な会社もあるでしょう。
しかし、それは企業の事業活動そのものであり、企業がその活動を通じて社会でどのような役割を担っていくのか?ということがとても重要なのです。
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社会企業化する企業
2009.01.10
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