今日は成長戦略についてご説明致します。現場で使うというよりは、経営者、経営陣以外には必要無い属性の概念ですが、市場というものの捉え方は非常に参考になる面がありますので、自分が経営者になったと思って読んで下さい。自動車は単に不況だから売れないのではない、ということもわかります。
さらに、そのソフトよりも、いわゆるコンテンツを提供している人が儲かるようになる、という流れになっていると思います。
残念ながら、今はパソコンを作っても前ほどは儲かりません。メーカーは事業をどんどん売却していますね。価格は低価格化し、売上は立つかもしれませんが利益はあまり出なくなります。
業界全体の利益の量も変動するのですが、利益が出る場所も移動するんです。
成長戦略の研究がはじまって長いですから、もう、かつて多くの業界で出た利益の量と、その移動がどうだったのか?というのはもうわかっているのです。
それは、業界が生まれてから、育ち、安定し、衰退する流れの中でパターン化しています。そして、それぞれの業界の中でどのようなポジショニングの仕方をすると利益がより出やすいか?というのも概念レベルではわかっていることなんです。
成長戦略の知見がわかっている企業では、その利益が出る場所をうまく確保し続けるんですね。
先日、成熟業界の方とお話ししていて、成熟市場で価格競争をやろうとしている旨を聞きました。おそらく、その会社のその事業は利益がほぼ出ない状態に陥るでしょう。
パターン的な話しをすると、成熟業界ではリーダーのポジションが取れている企業は高価格化が可能になります。成熟してリーダーのポジションが取れているということは、既にブランド化が済んでいるということです。
成長市場の時に、ナンバーワンの顧客数を獲得したということですね。それで、ここの商品を選んでおけば間違いないということがもうわかっている。そうすると、わざわざ知名度の劣る商品を試す意欲がお客さんからは失せている。
買うのであればここ、というのを多少価格が上がっても、代えたりしない。顧客にとってのスイッチングコストが高まっている状況だからですね。
しかも、成熟市場では、広告宣伝効果が薄くなっています。
まあ、確かに敢えて変える気が無い人たちに、スイッチしましょう!と、広告宣伝しても効果は薄いですよね。
そして、成熟しているということは、新規のお客さんがもうほとんどいないということですからね。
そうすると、広告宣伝費をかけずに、安めの販促費や情報提供などにコストをかけて、既存顧客との顧客リレーションを今まで以上に強化することで、コストも下がりつつ高価格で売れるという状況になります。
ただ、フォロアーはしんどくなります。顧客を奪い合う競争が激しくなり、たいていは共倒れになります。その後、生き残った一部の会社のみで少なくなった利益を分け合うようになります。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
ストラテジー
2009.02.23
2009.01.25
2009.01.24
2009.01.13
2008.12.31
2008.12.20
2008.11.24
2008.11.09
2008.11.03
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。