「アラフォー」の宿敵は、「宿便」であるという、そんな健康の話しではない。今年の流行語大賞になった「グー」や「アラフォー」と「宿便」という言葉の力と市場性について考えたみたい。よーく考えてみると・・・流行語大賞って、そもそもあんまり価値がないなぁーって、ダメだしでもある。
なかなか手応えのあるプレゼンをした後に、クライアントの担当者から「宿便がどっさり出て、スッキリした感じ」などとお褒めの言葉をいただいたことがある。
「宿便」って言葉を、こんなときにも使うかぁーと感心したことがある。
・・・で、こんなプレゼンの現場にも波及している「宿便」って言葉は、東洋医学にも、西洋医学でも使われていないのをご存じだろうか?
人間の腸内に貯まったヘドロのようなものとして「宿便」を認識していると思うが、医学的に「宿便」っていうのはないらしい。
最近「宿便」という言葉は多分、「水道管の壁にこびりついたヘドロみたいなもの」というイメージで使われていると思います。腸にはひだがあるのでその中に便が残ってしまう、という説明をよく見かけますが、これはウソ。
腸 はいつもさざなみのようにざわざわ動いています。ですから同じところがずっと谷ということはなく、谷になったり山になったりします。しかも、腸の壁の細胞 は数日で生まれ変わって、古いものははがれて便として排出されます。ちなみに日本人の便は7~8割が水分、残りの1~2割くらいが腸内細菌の死骸、1割強 が食べ物の残りかす、あとは脂肪やその他のものという構成なのです。
というわけで、腸の中のヘドロという意味での「宿便」は、溜まりようがないのです。
では「宿便」って言葉は、誰が考え、使い出したのか?
その語源を明確に辿れないが、
おそらく「腸内洗浄」や「ダイエット系健康食品」の売り文句を開発する過程で使われ、
定着していったものと予測する。
代替医療ビジネス市場を捻り出すために生まれた言葉が「宿便」なのだ。
市場をシェアするのでもなく、創造するのでもなく・・・市場を捻出する。
ニッチな活動の積み重ねの先に、大きな市場を捻り出していった。
そんな商売的な強さを「宿便」には感じる。
もちろん広辞苑にも掲載されている立派な言葉となっている。
現代語では・・・
いいとこどり/いけ面/癒し系/めっちゃ/絵手紙/温度差/顔文字/午後一/逆切れ/客単価/健康食品/看護師/さくっと/自己中/食育/代引き/たられば/聴導犬/駄目出し/猛暑日/中食 (なかしょく)/風評被害/街金/右肩上がり/うざい/らしくない/引籠り/食玩/内部告発/認知症
カタカナ語では・・・
カミングアウト/クレーマー/デパ地下/コンシエルジュ/サイバーモール/ベーグル/アイコンタクト/ユビキタス /スキミング/フリーペーパー/セカンドオピニオン/着メロ/ケアマネージャー/トートバッグ/ネットサーフィン/カルパッチョ/パティシエ/パワーハラ スメント/ピッキング/ワンセグ/スローフード/ポータビリティー/マイブーム/メル友/モラルハザード/スイーツ/ラブラブ/リベンジ/レジ袋/フィナンシャル
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。