先週末から、某プロジェクトで沖縄に行ってきた。同行した農学博士から、沖縄で起こっている結果が裏目のプロジェクトXについてお話を聞いた。 それは、2000年の沖縄サミット時の自粛から、動物愛護団体の圧力を受けすっかり見ることができなくなった「ハブとマングース対決」だ。 そこには、いまの日本の縮図がある。変革時に、裏目裏目に結果が出てしまう構図がある。
マングースは、ジャコウ猫科の雑食獣で、原産地は中東から東南アジアで、繁殖力が究めて強い動物である。明治43年(1910年)に沖縄に放たれたのは、ジャワマングースらしい。
しかし、このプロジェクトは、結果が、裏目裏目の超裏目。
マングースは、ちっともハブを退治しないのだっ。
そもそも、ハブは夜行性。マングースは薄明性。
生活時間帯が違うので、自然界で鉢合わせになること自体が少ない。
そのうえ、危険を冒してまでハブを捕食しなくても、
他に簡単に獲れる動物=ヤンバルクイナやアマミノクロウサギ等がたくさん生息しているため、
そちらを先に狙ってしまうのは当たり前。
ちなみに、マングースには、ハブやコブラの毒に対する耐性はないようで、
マングースであろうとも噛まれたら絶命をするようだ。
あまりに俊敏で、勝つ戦略に長けているため、噛まれない内に、相手を絶命させることができる。
しかし、どうせ戦って腹をいっぱいにするなら、命を危険にさらすより楽な相手の方がよい。
よーく考えてみたら・・・マングースがハブを退治するわけなかったのだ。
沖縄島には、元来ネコ目の動物は生息していなかったが、本種の導入により生態系のバランスが崩れ、国指定天然記念物であるヤンバルクイナをはじめ、アカヒゲ、ノグチゲラ、ケナガネズミといった固有種や絶滅危惧種の生息が脅かされている。奄美大島でも同様で、特別天然記念物のアマミノクロウサギや天然記念物のアマミトゲネズミのほか、島の固有種で推定100羽ほどしかいないオオトラツグミや、同じくオーストンオオアカゲラ、ルリカケス、アマミヤマシギ、イボイモリ等の捕食も危惧されている。
これらの島では、従来、ネコを除けば生態系の頂点はハブであり、固有種の多くはもっぱらハブに対する防御手段を発達させているが、これらは本種には通用しないことが多い。
また、養鶏農家が本種に卵やひなを襲われる被害も出ており、さらに、本種には人にも伝染するレプトスピラ菌の保菌率が高い。ヒトがレプトスピラ菌に感染すると腎臓が侵され、最悪の場合、死に至ることもある。本種が狂犬病ウイルスを運ぶ可能性もあると言われる。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。