昨日、福岡でも初雪が記録された。 景気も、季節も、本格的に冷え込みだした。 こういう時は、ひとつ、季節はずれの暖かいお話でも一席どうでしょう?
ひまわりは、漢字で書くと「向日葵」。
お日様について回るように花を開かせるから「ひまわり」。
しかし、実態はどうやら違うようだ。
実は、「ひまわりは芽生えのときだけでなく、つぼみをつけたあとも依然として太陽を追って首を振っている。しかし、つぼみの中に黄色い花弁がちらほらと見え出すころから、西方向への首振り角度が日に日に小さくなり、首振り幅をだんだん小さくしながら花はどんどん東に傾く。そして完全に開いたころには、花は東を 向いたまま運動をやめてしまう」らしい。
「大人になったひまわり」は、東を向いて咲いているのだ。
知らなかった。
では何故、成長した「大人のひまわり」は、東を向いたまま咲くのか?
良くは解明されていないようなのだが、諸説ある・・・。
ひとつは、温度調節のため。
ひまわりは花が上を向いているため日光がまともに当たる。そのため花の温度が横を向いている時よりも表面温度が上昇する。その温度上昇は受精や結実には不都合があるため、ちょうど具合の良い、東を向くそうだ。北向きでは、寒すぎ。西向きでは、西日がきつい。
ふたつめは、病原菌予防のため。
東を向いていると朝日があたり、夜露が早く乾燥する。それは、湿気による病原菌の蔓延を防ぎ、大事な種子を守るというわけだ。北向きでは、乾かない。西向きでは、乾くのに時間がかかる。東向きが、ちょうどいい。
※しかし、これら諸説も正解ではないらしい。瀧本敦著「ヒマワリはなぜ東を向くか」では、仮にもっともらしい説が現れたとしても「あまりまともに考えると、すべての植物の花は東を向いて開かねばならないことになるだろう」と書かれています。
若いときは、お日様を追って、首をまわすが・・・
成長して、種子を育てる頃には、東を向いて、まっすぐ立つ。
そして、種子を充分稔らせた頭花は、昇る朝日に、いずれ低く頭を垂れ、生涯を終える。
なんて凛々しく潔い生き方だろうか。
「ひまわり」から私達が学ぶべきは、そんな「大人」のあるべき姿ではないだろうかと考える。
朝日の昇る方角=東とは、「明日」だ。「未来」だ。
ひまわりは、不惑の歳になったら、
迷わず、毎日、明日を見て暮らせということを教えてくれている。
振り返らず、いつも前を見て、明るい顔で。
そういう大人が纏う空気は、ちょうどいい温度になる。
そういう大人に守られた子供達は、すくすくと前向きに成長する。
「子供は、大人の背中を見て育つ」のであるなら、
見せるべき大人の背中は、明日を見続ける潔い背中だ。
振り返り、向かい合うのではなく、前を向き、明日に挑み続けることだ。
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生き物から学ぶ
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。