日本企業はリーダーシップ過多に陥っている。 動かない組織やチームの原因がリーダーシップにあると妄信している。確かにそれも一因ではある。 しかし真因はフォロワーシップ(メンバーの自立性、自発性)の欠如にあるのです。 その本質と向き合わず、リーダーシップを強化すれば、自ずと牽引型のリーダーシップとなり、 結果、指示待ち、リーダー依存、思考停止のメンバーが激増する。
「ボートメンバー同士がチームワークを高め、良いチームを創っていくことは、好き嫌い、守る守らないではなく、掟なのです。ボートに乗った瞬間から、掟に従わない者が居ればボートは簡単に沈没します。あなたのボート(チーム)は沈没しかかっていませんか?」
会社に入社した瞬間、配属された瞬間、良いチーム創りに参加するは私達の掟となる。
掟。。。同じ会社に入って、貴重な時間を過ごす仲間・・・
知らなかった。誰も教えてくれなかった。だとすれば、学校であれ、家族であれ同じなのかもしれない。そんな簡単で当たり前のことが分かっていなかった。なぜ、どのボートも沈没しそうにみえる理由が分かったように思う。
何となく腑に落ち感が生まれた。沈没しそうなボートに居るのは嫌だ。自分が原因でボートを沈没させるのも嫌だ。沈没させたくない。素直にそう思う。
どうしたら?
こんなに簡単に腑に落ちるか?と思われた方も居ると思います。
しかし、それが腑に落ちるのです。何故か? それは、誰の不利益にもならないし、若手の方がより長く沈没しそうなボートに居る。ちょっと考えれば誰もがうんざりです。誰かの為ではなく、自分の為だと気づくからです。
自由と多様性をはき違えてはいけない。自由も多様性も秩序の上に成り立つものです。
【エピソード3】
様々な講義が続いた。そして、頭で理解したこと、共感できたことを実践的に試す機会がやってきた。
ゲームの中で「行動」できるかが試されるらしい。
10人のメンバーでチームを作りリーダーを一人決めた。
いきなりアイマスクを渡され、リーダー以外は目隠しをする。
その状態で数分、放置された。
リーダーだけは講師から何らかの説明を受けているようだ。気配で何となく分かる。
「よーい、スタート!」
な、な、何がスタート?
リーダーの声が聞こえる。どうやら他のメンバーに指示を出しているようだ。
しかし、目隠し状態では何が何やら分からない。
まったく、声がかからない。放置状態が続く。何の指示もないのでほとんどのメンバーは動く気配もない。暇だな~。
「あと、2分」
え? 2分って、まだ何もしてないけど。
おい、リーダー、何やってんだよ。
「終了!」
まじかよ。目隠しを取る。眩しい。
目前の床にロープが丸まっている。何かの形にしようとしたような形跡はあるが、まったく形になっていない。
講師が話し出す。
「この課題はリーダー一人がどんなに頑張ってもできません。達成するためにはメンバー全員の自立的な協力が必要です。本日、学んだことが自分の意志で実践できれば、この課題は達成できます。では、チームで話し合ってください。」
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2009.02.10
2015.01.26
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。