もう一度読み返したい本: 【知識デザイン企業】 (著)紺野登 氏
「デザインは単なるモノのカタチを作ることでない。本質な課題は、デザインを介在させ、企業や組織が内包する知力を解放することである。」
知識経営の考え方をベースに、「創造経済」の中での新しい企業・経営のあり方として、「アート・カンパニー」モデルを提言している書籍です。
概要:
~新しい企業モデル「アート・カンパニー」とは~
■ 80年代から90年代の「品質経営」が限界を向かえ、世界は「創造経営」に転換している。 これは、過去の延長線にとらわれずに新たな知を創造する力が必須な時代になったということ。
■ 技術ベースの工業社会モデルから脱するためには、美的な力としてのデザインが不可欠。そして直面する創造経済の中で、「アート・カンパニー」という新しい企業・経営モデルへ移行していくべきである。
■ 「アートカンパニー」とは、「知識デザイン」する企業。知識デザインとは、知識創造×デザイン、つまり、モノの質だけに限らず、人間的な経験・プロセスの質をもデザインすることを意味する。
■ この「アートカンパニー」が、これからの創造経済の時代の「理想型」であり、未来を描くときのプロトタイプ的なイメージとなるだろう。
~創造経済とアート・カンパニーの台頭~
■ これからの創造性への挑戦とは、企業がいま起りつつある経営の知の変革、すなわちパラダイムの転換に、適切な組織へと生まれ変われるか、生存をかけた闘いである。
■ 知識創造による技術・ノウハウ、環境変化に対する感受性を持ち、市場理解に基づく顧客価値の提供ができる企業だけが生き残れる。
■ 例えば、グーグルの創業者セルゲイとラリーは、アーティストたちを、いかに仕事(と遊び)に向かわせ、重要なイノベーションが自然と湧き起こるようにするかを、大変重視していたという。
■ また、社内に「最高文化責任者」(Chief Culture Officer)なる職種を設けて、フラットな組織、階層構造のなさ、協調環境などを維持し、チーム指向で、非常に協調的で、伝統に縛られない考え方を促すこと文化を形成している。
■ この創造経営では大きなパラダイムシフトが起こる。それは「分析パラダイム」から「創造パラダイム」への不連続の変化である。
■ なぜ分析パラダイムがうまく機能しないかというと、まず分析パラダイムでは、分析して絞り込んでいくことで、「正解」に辿り着けると考える。だが、分析するためには、過去のデータが対象とし、ロジカルにひとつの答えを求めようとするが、固定的な「正解」に基づく実行戦略では、予測できない事態に対応できない。
次のページ、「創造的パラダイム」
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【もう一度読み返したい本】シリーズ
2008.08.01
2008.04.10
2007.10.01
2007.10.01
2007.09.13
2007.08.30
2007.08.22
2007.08.08
2015.07.28