もう一度読み返したい本: 【素人のように考え、玄人として実行する】 (著) 金出武雄
「あまり難しく、複雑な現実をそのままに扱ったり、考え始めるとうまくできない。
事を簡単、省略、抽象化して見るのが基本である。創造は省略から生まれる。」
カーネギーメロン大学(CMU)の教授である著者が、問題解決への思考について、
自らの知見をまとめた書籍です。
印象に残ったところは、
■ 荒唐無稽な考えからアイデアが生まれる
真面目な人は失敗しないように1つ1つステップを積み上げていく。しかし、アイデアを生んだり、独創技術を開発するためには、思考が飛躍する必要がある。現状から1つ1つロジックでつなげて結論を生む思考法では飛躍は難しい。結論からひとまず先に作っていく、つまり、希望から話を始める、素人の考え必要がある。
■ 素人発想、玄人実行
発想は、単純、素直、自由、簡単でなければならないが、それを邪魔しているものは「知っている」と思う心。知識があると思うと、「それは難しい」「そんなふうには考えないものだ」と知識を披露したくなるもの。
アイデアを発想する段階では、「どんなことができるだろうか」「どんなことを人は欲しいのだろうか」など、
すなおにアマチュア的に考える。 そして、発想を実行に移すのは知識と熟練された技が要る。
プロ的な徹底して突き詰める仕事が求められる。
■ 創造は省略から生まれる
あまり難しく、複雑な現実をそのままに扱ったり、考え始めるとうまくできない。事を簡単、省略、抽象化して
見ることが大切。理論はシンプルで抽象化した問題に対して立てるほど価値がある。問題の本質をもっとも昇華した形で残し、最も分かりやすい形の理論に仕上げたものが、最もすばらしい理論である。 現実世界の
現象や事象には、一見、構造などないように思える。しかし、ないと思われるところに構造を見つけ出す。
それが、アイデアなのである。
■ アイデアは「人に話して」で発展する
人に話すのは必ずしもその人に答えを教えてもらうとか、アイデアを聞くということが目的ではない。話すことで自分のアイデアが磨かれたり、不備に気付いたり、触発されて新しいことに気付いたりするものである。
■ 異なるジャンルの人と知的に対決
異なる分野の人は、自分とは別の角度からものを見たり、思いもよらない意見を出す。
その発見が、古い思考の枠組みを壊す発想やアイデアに結びつく。 どの分野であれ活躍している人は、
その分野についての問題を抽象化して考えられる人である。分野が違っても、抽象化された思考方法では
共通している。この抽象化というのはいわゆる抽象的に話すことではなく、特定の例、出来事の一段上の
共通概念をつかむ、ツボを押さえることである。
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