宅配注文サイトといえば「出前館」。全国で8,100店以上の飲食店が出店する「出前館」は今や、出前のポータルサイトとして揺るぎないポジションを確立している。6年前、どん底状態で同社を引き継ぎ、見事に上昇気流に乗せた中村社長の秘策を伺った。
▲デリバリー総合サイト【出前館】
現在は全国8,100店以上もの飲食店から、自分のエリアに応じて出前先を選ぶことができる。
■考えられるすべてのことをやる
しかし。超前向き思考で社長を引き受けた中村氏を待っていたのは、あまりにも厳しい現実だった。そもそも経費管理すらなっていなかったのだ。微々たる商いしかできていないにも関わらず、当時社員は20人以上もいたという。人件費すなわち固定費負担だけでもとんでもない額に上る。
「そこでまず手をつけたのが、徹底したリストラですね。私を含めて社員は5人にまで絞り込みました。これなら私がやっていたマーケティングコンサルの仕事で売上を稼げば、何とかお給料を払っていけますから」
当時の『出前館』が置かれていた状況は、完全に一種の閉塞状態だった。すなわちまだまだ加盟してくれる店舗が少ないから、せっかく「出前でも頼んでみるか」とアクセスしてくれたお客様がいても、選択肢は極めて限られている。最悪の場合、アクセスしてはみたもののお客様のエリアによっては注文できるお店がなかったりする。そんな状態では注文は増えない。
「注文が入らないのであれば、お店の方では加盟するメリットはありませんよね。だからなかなか加盟店が増えない。まさに悪循環、ジレンマですよ、ほんとに。わかってはいたことだけれど、とっても苦しかった」
会社を引き受けるにあたって中村氏は、ある程度将来の見込みを立てていた。すなわち加盟店が3000店、発注件数にして10万件を超えれば採算ベースに乗ると踏んでいたのだ。ただし、そのためには2年はかかると覚悟もしていた。
「ところが所詮は絵に描いた餅ですね。そう簡単には思った通りに進むはずもなくて。なかなか加盟店は増えないし、選べるお店が少ないから注文数も増えないしとネガティブサイクルから抜け出せなかったんです」
そうした状況を打開するために、とにかく考えられるすべての策を中村氏は実施したという。一例を挙げれば『勝手にチラシ』作戦であり『勝手にご近所営業』作戦である。
「あるお店が加盟してくださると、速攻でガリ版刷りのビラを作るんです。そして自分たちでお店の出前エリアに配りました。このお店がネットから注文できるようになりましたよ、便利ですよってお知らせするわけです。時には、そのチラシをお店の近くの会社に持っていって、とても楽だからいちど頼んでみてくださいよ、なんて営業をかけてみたりもしました」
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