宅配注文サイトといえば「出前館」。全国で8,100店以上の飲食店が出店する「出前館」は今や、出前のポータルサイトとして揺るぎないポジションを確立している。6年前、どん底状態で同社を引き継ぎ、見事に上昇気流に乗せた中村社長の秘策を伺った。
最終回 「競合はネットじゃなくて電話」
■次は全国の個店へ
「全国チェーンはほぼ全部お取引いただいています。エリアチェーンも10店舗以上展開されているところは、ほとんど加盟していただきました。次は個店さんなんです」
今や出前館がカバーする飲食店は、全国で8,100店舗あまり。エリアカバーについては、第三次のフェーズに入っている。全国チェーンを押さえていることは大きいが、これも実は想像するほど楽な作業ではなかったようだ。
「全国チェーンといっても、FCさんとはすべて1店舗ずつの契約になるんですね。もちろん本部からお勧めはしていただけますけれども、契約自体は直接のやり取りになります」
ということは、全国を駆け回って契約に務めなければならない。マンパワーが必要になる。個店にアプローチをかけていく上でも、極めて重要なのがエリアアプローチ戦略であり、信頼できるパートナーとのアライアンスだ。
「基本的にはオーソドックスにエリアドミナント方式で展開しています。あとありがたいのは、光通信さんと提携できたこと。2007年の年末から組ませていただいて、うちの営業だけではなかなか回りきれない地方については、光通信さんにご担当いただいています。おかげで勢いがついて実績が上がっていますから」
ただ現時点で一つ、頭の痛い問題があるという。同業の動きである。
「出前館に新店情報をアップしますよね。するとその日のうちに、お店に電話が入るそうなんですよ。『出前館さんでオープンされましたよね、うちはタダで良いから掲載されませんか』って」
出前館のビジネスモデルの将来性が認められたからこその動きではあるのだろう。しかし、いくら加盟店を集めることが最重要課題だからといって、無料ではビジネスは成立しない。その弊害が出始めていると中村氏は指摘する。
「対価を取らずに、とにかく数を集めることに集中すると、加盟店に対するサービスが疎かになりがちですよね。それが恐いんです」
話題になっているし、これからはネットの時代だからと無料で入ってみたはいいが、きちんとしたサービスを受けられなかった場合、お店はどう思うか。結局ネットはタダけれど、ちっとも役に立たないといったイメージができてしまう。
「そんな誤解を解くためにも今年10月に、デリバリー産業展を開催します。私たちが主催するわけではないのですが、精一杯お手伝いします。この展示会を通じて、デリバリー産業に関わるすべての企業さん、お店さんにいろいろ考えてもらい、業界を活性化していければ良いなと考えています」
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