宅配注文サイトといえば「出前館」。全国で8,100店以上の飲食店が出店する「出前館」は今や、出前のポータルサイトとして揺るぎないポジションを確立している。6年前、どん底状態で同社を引き継ぎ、見事に上昇気流に乗せた中村社長の秘策を伺った。
第1回 「どん底からのスタート」
■もしかしたら2兆円に育つかもしれないビジネス
「どうすんの?」
「どうすんのって言われても、お金ないねん!」
中村利江現社長が『出前館』を運営する夢の街創造委員会を引き継ぐ直前、2001年に前社長とかわした会話である。中村氏が社長を引き受けたのは2002年のこと。このビジネスを立ち上げた前社長は、氏の前職時代(ほっかほっか亭企画担当)からの知り合いだった。独立してマーケティングコンサルティングの会社を立ち上げた中村氏に、前社長は業務サポートを依頼したのだ。
「仕事としてお手伝いするのは、独立したばかりの私にとってもありがたいお話でしたから喜んで受けたんです。ところが、いろいろ内情を聞いていくと、実はお金が全然なくて給料もちゃんと払えてないような有り様でした。えらいことですよね。そこで、ちょうどタイミングよく開催されたある事業コンテストに応募してみようって話になったんです」
ベンチャーブーム華やかなりし頃、各地で開かれていたビジネスモデルコンテストの一つである。すでに立ち上がっていた『出前館』のビジネスモデルを中村氏はもう一度、細部から徹底的に詰め直していった。その上で企画書を練り上げ、プレゼンをきめ細かくサポートもした。
「結果は上々でした。コンテストを主催していた企業さんから出資しても良いと言ってもらえましたから。ところが、その過程で前社長から、社長を代わってもらえへんやろかって切り出されたんです」
コンサルで関わっていた企業から社長を頼まれ、引き受ける。あまりない話だろう。中村氏自身が自分の会社を立ち上げたばかりなのだ。しかも、始めたばかりの会社なのに当初から利益もきちんと出ていた。いくら出資を受けられるとはいえ、赤字続きの企業を引き受けて成長軌道に乗せるのは並大抵のことではない。普通の感覚ならば、まず引き受けないのではないか。
「知人、友人に家族はもちろん、相談した人は全員、パーフェクトに反対しました。でも、って思ったんです。確かにコンサルを始めてすぐなのに、そこそこの売上はありました。わずか3人の会社ですけれど、地道にやれば毎年500万円ぐらいずつは売上を伸ばせていけるだろうなって感触も掴めてた。じゃ『出前館』はどうなのって。いまは赤字かもしれない。月商もたった20万円しかないかもしれない。でも、このモデルはいずれ2億円になり、そこから20億、200億、うまくいったら2兆円になる可能性もある。そんなすごいビジネスモデルに関わることのできる人って、世の中にそんなにいないんじゃないかなって思ったんです」
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