ミスタードーナツとモスバーガーが初の連携商品を期間限定で発売した。今年2月20日に発表された資本と業務両面にわたる本格的な提携契約が、初めて消費者の目に見える形で現れたわけだ。
そうした観点から改めて2月20日の提携内容を見直してみる。
(3)品質管理 、(4)購買 、(5)物流 、(6)共同展開の以上4項目は、両社が共同展開することによって効率化を図る狙いだが、その根本には規模を増して「規模の経済」を図ることがキモである。個別最適化ではなく、両社がより一体となることで効果を増すわけだ。
その他の3項目、(1)販売促進 (2)オリジナル商品の共同開発、 (7)業態開発は両社がノウハウを持ち寄って新たな差別化を図る点がポイントだ。単純に規模を増すだけでは、そもそも規模において優位であるコストリーダーには抗しきれない。チャレンジャーとしての差別化ポイントを創出するために「経験効果」を発揮するしかないのだ。両社が今まで培ってきたノウハウを結合し、簡単には模倣できない商品や販促手法、店舗オペレーションを実現することが必要なのだ。
今回の「MOSDO!」としての展開は、本格的な提携効果としてはまだまだ限定的なものでしかない。消費者の目に見えないところで、規模の経済を発揮すべき改善が行われているのかもしれないが、販売促進だけに留まらない、明確な差別化ポイントが今後、どんどんと発信されることを期待したい。
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2008.07.26
2008.09.08
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。