人事採用担当/キャリアコンサルタント双方の視点から、中途採用面接における採用側の意図や判断ポイントについての本質を探っていきます。
今回は「志望動機」について。
③志望動機
面接官としてはここも大いにツッコミどころです。 なにしろ、
「わざわざ選んでくれたんだから、自社について十分調べてくれてるだろう」
という前提でハナシ聞いてしまいますからね。
前回も書いたとおり、ギャップが現れやすいポイントなんです。
具体的にはこんな感じです。
【面接前】
受験者⇒
「とりあえずハナシを聞いてみて、それからいろいろ考えよう」
面接官⇒
「どれだけ意欲を持っているか、面接の場で確認してみよう」
【面接後】
受験者⇒
「ハナシを聞いたら盛り上がってきた!頑張ってやっていきたい!」
面接官⇒
「あんまり前向きな気持ちが伝わらなかった。
ウチじゃなくてもいいのかも…」
う~ん、やっぱり「チャンスの女神にうしろ髪はない」の格言通りで。
これはもったいないハナシですよね。 ですので、下記に注意して準備
されるといいでしょう。
ポイント:どれだけ理解しているか?
⇒「なぜこの業界」
「なぜこの会社」
「なぜこの仕事」がいいのか、
という3点を簡潔にまとめられればいいでしょう。
業界や仕事については、純粋に興味やこれまでの経験からハナシをしやすい
ものなんですが、難しいのは「会社」について。
同じようなことやってる会社は複数あるハズなので、
そんなところと比較した上で
「今受けてる、まさにこの会社の何がいいのか」
「なぜこの会社でないといけないのか」、
について、根拠を挙げて説明できる必要がありますね。
でないと、“あの質問”が降ってきますから…
「…だったら、べつにウチじゃなくてもいいですよね?」
… これはなかなかタフな質問です。
では、どのように対処すればいいんでしょうか。
できれば、HPやメディアで簡単に入手できる情報じゃなくて、
実際にユーザーとしてその会社のモノを買ったり、
サービスを受けてみてどうだったとか、
同業界の他社と比較してこうだったとか、
社員と話してどうだったというような、
「リアルな体感情報」であるほど、人事は安心です。
なぜか。
人事はここでいろいろと質問することで、最初に挙げた意図の内の3つめ、
「社風に合うか」とか、環境や仕事にフィットしそうかどうか、
見極めてるからなんですね。
どうしても表面的なイメージだけで判断されると、入ってから意外な
部分が見えたり気付いたりして、
「こんなハズじゃなかった…」
なんてコトになりかねません。 そうするとその方にとっても不幸だし、
人事としての採用責任も問われますからね。
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面接官の本音・中途採用編
新田 龍
株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役
キャリア教育プロデューサー ブラック企業アナリスト 大学講師 HRMストラテジーコンサルタント JCDA認定キャリアデベロップメントアドバイザー 日本キャリア開発協会、東京商工会議所会員 早稲田大学卒業後、東証一部上場企業で経営企画、事業企画を経験。 その後人材サービス大手企業にてコンサルタントおよび人事採用担当等を歴任。 現在は人事戦略とキャリア教育に関するコンサルティング会社を2社経営。