決算早期化に向けたプランニング時の考慮点について整理します。まずは、決算早期化の目標設定を行いましょう。具体的には、期末後、何日目に決算報告を行うのかといったターゲッティングです。各社により状況は違いますが、総合的判断に基づき各社毎の最終目標と、中間的な目標設定を行います。
ゴール設定
決算早期化を図る場合にまず決めておくべきことは、明確な目標(ゴール)です。
決算日程の現状に関しては、決算早期化ロードマップ(1)で類推できるように、それぞれの企業の内部事情により各社毎にばらつきがあります。
四半期決算開示に年度決算も含め、30日以内に連結ベースでの短信発表を行うという法/制度対応を当座の目標に設定する企業もあれば、既に法/制度遵守には目処を付け、主に経営管理レベル向上の視点から更なる決算早期化を目指す企業もあるはずです。
いずれにしても、明確な目標設定が必要となります。なぜなら、例えば現状45日で決算報告を行っている日程を15日短縮する場合と、35日短縮する場合では、最終的な「施策」の内容が違うからです。15日短縮であれば、システム改修を行わなくとも、日ごろの業務手順の見直しや取引先への働きかけ、月末集中から業務平準化の改善などシステム対応は必要ないかもしれません。一方、35日短縮となると決算業務のやり方そのものを現行システムの改修やリプレースを含め何らか大きく変化させない限り対応できないことが予想されます。
一般的には、決算早期化を一足飛びで現状45日に対し、いきなり35日早期化の10日目報告の実現を目指すのではなく、まずは、-5日、次に-5日、さらに-10日、最終的に-15日と段階を追って改善してゆくことにより、安全なランディングを目指すアプローチが有効とされています。 数年先の大掛かりなシステム導入を伴うBPRを「ビッグバン方式 = 一発勝負」で目指すより、できるところから少しずつでも改善を積み重ねることで、業務変化に対する順応度合いも高まり、より安全なステップを踏むことができます。
本稿では、より読者への適応性/ 汎用性を増すために、連結決算報告を10日目に行うことを目標(ゴール)に設定し、解説を進めてまいります。ここまで早期な決算報告を求めていない企業においても将来的な道筋として参考にしていただければ幸いです。
単体決算早期化/ 連結決算早期化
2000年以降は連結決算報告が義務付けられていますので、決算早期化アプローチの範囲として、「連結」を前提に解説を行いますが、本来、決算早期化を達成するには、手順として「単体 =法人登記単体」の早期化が達成されない限り、「連結 = グループ(親/子会社など)」の早期化もままならず、また、「単体」と「連結」の早期化課題は、本質的に相違することから、本稿では、それらを分けて解説することとします。
また、法/制度で求められる決算報告とは別に企業内の管理/統制統制上行われる決算(月次決算のイメージ)との関係についても言及します。
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