仮説検証の必要性について改めて訴える「求められる仮説検証」シリーズの第1弾。仮説検証について考えるに先立って、戦略策定において「戦略仮説」とはどういうもので、そもそも「課題仮説」と「打ち手仮説」の2種類あることを共有しておきたい。
弊社では昨年から新規顧客限定の「仮説検証サービス」というものを始めた。いわば「お試し」的なサービスで、クライアント企業が持っている戦略仮説をクライアントに代わって検証して、「1次回答」を差し上げるというものだ。
その顧客候補への説明の過程で痛烈に感じたのは、大企業といえどもきちんと戦略仮説の検証をやっていることは比較的少なく、多くは仮説のまま(つまり自分たちの思い込みのまま)次のステップに進んでいること、そしてそれを大して問題だと思っていない人が(上層部にも)少なくないことだ。
実は小生は随分と前から、このコラム記事で「仮説の検証」の必要性について何度か書いてきた。10年近く前の「検証を欠いた“いきなり実施”は無謀・軽率と呼ばれる」という記事を皮切りに、「仮説の“検証”とはどんなもの?」シリーズの実例その1・その2・その3、さらに「新規事業における素朴な疑問」シリーズでは(8)「軽視される基本仮説の検証」と、(12)「先送りされる検証」を書き、世に警告してきたつもりだ。
しかし最後の記事から6年以上経ち、他の記事に埋もれてしまい、それらが省みられる事は滅多になくなっている。そこで今回、「求められる仮説検証」シリーズという形で仮説検証の必要性について改めて世に訴えたいと考えた次第だ。
そもそも「仮説の検証」とはどういうものか、ピンとこない方も少なくないと思うので簡単に説明しておこう。「仮説」とは、自分たちが『こうじゃないか』と想定している事柄(刑事事件でいえば「容疑」)であり、まだ事実だと立証・確認できていないものだ。そしてその検証とは、『本当にそうなのか』と別の切り口から裏付け確認すること(刑事事件でいえば「裏付け捜査」にあたる)である。
わざわざ「戦略仮説」などと勿体ぶって呼ぶのは、戦略策定または戦略的イシューに関わる仮説だというだけに過ぎない。「非戦略」の仮説なんてものは身の周りに溢れかえっている(例えば「部長が今朝機嫌が悪いのは奥さんと喧嘩したからに違いない」などという邪推も仮説の一種だ)ので、それらと区別したいからだ。
戦略仮説の具体論については次の記事あたりで改めて説明するつもりだが、その前に、戦略仮説には大きく分けて「課題仮説」と「打ち手仮説」(※)の2種類あることをお伝えしたい。
※「解決仮説」ともいうが、課題仮説とは切り離しての概念だということを明確にするため、こう呼んでいる。
経営・事業戦略
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。 ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/ ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/
