​静かなる支配~戦争が奪った未来

2024.08.15

組織・人材

​静かなる支配~戦争が奪った未来

永嶋 泰子

コロナを経て社会が変革期にあるいま、個人のリーダーシップが果たす役割はますます重要になっています。 かつてのルーマニアや戦時中の日本を例に、家族にさえ本音を言えない社会を生きた人々の実体験を通じて、私たちが当たり前と思っている「平和」と「自由」は、いま失われようとしています。 現代社会における多様性と自由を尊重するために、リーダーとして何ができるのか、一緒に考えてみませんか?
 この記事を通して未来の可能性を一緒に考える機会を提供いたします。

戦争が奪った若き芸術家たちの夢

そう、第二次世界大戦です。

国民は、戦争には勝ち続けていると信じ込まされ続けて、全く勝ち目のない戦争に突き進んでいきました。

さらに、「お国のため」という大義名分のもとに亡くなっていった若い男性たち。

本当は、戦争ではなく自分の好きなことをして生きたかったはず。

学校も行きたかっただろうし、お腹いっぱいご飯を食べたいと思っていたと思います。

それでも、「お国のため」という大義名分に押しつぶされそうになりながらも、懸命に命をかけていった男性たち。

そうした男性たちの中で、特攻隊員として出撃しなければならなかった戦没画学生の絵の展覧会に行ったことがありました。

大学への進学率が著しく低かった時代に、彼らは大学で絵を学ぶことができるエリートでした。

しかし、「お国のため」に命を国に渡さなければならなかった彼ら。

彼らの絵は、差し障りのない風景画や穏やかな日常を描いているものでした。

絵だけを見れば、戦争に翻弄される運命にある人とは思えませんでした。

ただ一つ、色彩が暗いということを除いては。

もしかしたら物資が足りずに明るい色を使うことができなかったのかもしれません。

しかし、街中の至るところの看板でさえもカラフルに彩られている現代からすれば、違和感を抱くには十分なものでした。

本当はもっと絵を描きたかっただろうに。

誰にも言えない将来の夢もあったはず。

平和だったら、もっとたくさん絵の具を使って、もっともっとたくさんたくさん絵を描きたかったはず。

絵を見ながら、涙が止まりませんでした。

「なんで、罪のない若い人が命を奪われなければならないんだろう」「なんで、絵を描きたいという小さな夢すらも絶たれなければならないんだろう」

当時は、国家権力がそれを許さなかったのです。

そして、他人事として片付けられるのだろうか、と思うのです。

戦前と現代の日本に共通する自由の喪失

確かにいまの日本は憲法で「言論の自由」は保障されています。

しかし、一方で「閉塞感」や「生きづらさ」を感じる人が増えているのは、奇妙ではありませんか。

いまの日本は「あるべき姿」が一つに定型化されていて、それから外れることをよしとしないような、大っぴらには言わないけれども、自由が少しずつ失われているような気がするのです。

人間は本来は千差万別な存在です。

一人一人、顔が違うように、一人一人持っている性質も異なっています。

それを定型の「あるべき姿」に固定化したがっているように、私には映るのです。

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永嶋 泰子

「感動の先にビジョンがある」を理念として、ビジョンを持って目標を実現する「3ヶ月メソッド」を考案。 33歳で第一子を亡くし逆境から立ち直った経験をもとに、アメブロ、インスタグラム、Facebook等で継続的に発信を行なっている。 人の強みをみつけることを強みとし、イベントやコンテンツ制作のプロデュースなどを得意とする。 ▼アメブロ https://ameblo.jp/moharinayasuko ▼インスタグラム https://www.instagram.com/hanayasuko_1030/ ▼Facebook https://www.facebook.com/nagashima.yasuko

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