日本全国で空き家が増加する中、「あなたの投資で社会が良くなる」をキャッチフレーズに、「空き家・古家に投資をして安定収入を得る方法を学ながら、実践できるサービスを提供する「一般社団法人 全国古家再生推進協議会」。その仕組みや意義について、理事長の大熊様にお話しをうかがいました。 (聞き手:猪口真)
大熊 しかも戸建て賃貸の場合、例えば6万円ぐらいの賃貸物件があるとして、それをリフォームすれば、家賃を上げないと工事額と合わなくなります。しかし家賃が8〜10万円くらいになると、いわゆる購入ゾーンに入ってしまう。それならローンを組んだらいいや、という話になりますよね。
われわれが一番のターゲットにしているのは生活保護の家賃帯より少し上の層です。その層だとローンを組めない方が多く、賃貸に入って長く住んでくれますし、ボリュームゾーンでもあります。また、そういった方々がアパートやマンションだけでなくて戸建てにも入れるようになれば、供給する側として社会貢献にもなります。
猪口 言われて初めて気づきましたが、まさにそこはボリュームゾーンですし、空き家の問題を解決しようと思ったらそこにいくしかありませんね。
大熊 空き家投資をする上で一番のポイントになるのが工務店です。いくら家を安く買ったところで、高額な工事費がかかったら収益として合いません。つまり、事前にいくら工事にかかるか分からない限り、戸建てに投資できないということです。一番いいのは工務店が物件を見に行くことです。工務店が物件を見に行って、家賃と工事額を見積もって、物件をいくらで買えば合うのかが分かれば一番手っ取り早いですよね。普通の投資家が見に行っても工事額が分からないので、工務店を連れて来るか、あるいは思い切って入れるしかありません。われわれは、工務店が物件を探しに行って事前にシミュレーションをしたものを投資家にマッチングさせています。
われわれの工事費の平均は350万円ですが、戸建てのリフォームをしようと思えばすぐに500〜600万円くらいいきますし、小さな10坪くらいの家で1,000万円を超えることも珍しくありません。やろうと思えばそこまでできてしまうのです。やり過ぎたら収益が合わない。やらなかったら入居者が決まらない。ここの一番良い加減を出さないといけないので、ノウハウが必要です。
協議会では、賃貸住宅あるいは不動産投資、工事の仕方、家賃相場など、そういったものを全部ノウハウとして工務店に提供します。これで工務店は物件を探すことができるようになり、事前にシミュレーションができて、工事にどれくらいかかるか分かって、投資家はその工務店にそのまま頼むことができるわけです。その代わり、値引きや相見積もりをしないことをルールにします。そうすると工務店は探してきた分の工事が全部自分のところにきます。しかも直のお客様ですから規模的に十分な収益が得られる。さらに、投資がうまくいけばお客さんに非常に喜んでもらえます。それでWin-Winをつくっているのです。
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