日本全国で空き家が増加する中、「あなたの投資で社会が良くなる」をキャッチフレーズに、「空き家・古家に投資をして安定収入を得る方法を学ながら、実践できるサービスを提供する「一般社団法人 全国古家再生推進協議会」。その仕組みや意義について、理事長の大熊様にお話しをうかがいました。 (聞き手:猪口真)
空き家率は圧倒的に地方都市が高いが、空き家数だと分母が多い三大都市圏のほうが多くなる。つまり、どこでも空き家になり得るということです。ところが貸家の供給を見ると、賃貸の戸建てはほとんどありません。一方、低家賃で戸建てに入りたいという需要は変わらずあって、働き方改革やコロナ禍を経て余計に増えてきています。戸建ての供給よりも戸建ての賃貸需要のほうが多いわけです。マンション100につき戸建てが3つ、4つあればいいところでしょう。しかも、綺麗になっている戸建てとなるとさらに少なくなります。中途半端に修理して貸し出されることも多く、需要に合わせてしっかりとリフォームしている物件が少ない。ですから、われわれの物件に入居者が付いて、成長マーケットになってくるわけです。
猪口 なるほど。他の自治体がやられているような空き家のマッチングサービスとは全く別物ですね。
大熊 空き家バンクなどは、需要と供給のニーズが合っていません。空き家バンクには山奥の一軒家が多く、それを何とかしてくれというような話です。われわれはそうではなく、マーケットがあるところでしかやりません。あくまで家賃相場から逆算して、価格に見合うところでしかやっていない。
猪口 そもそも目を付けている市場が違うということですね。
大熊 都市中心部は土地値も高いし家賃も高い。一方、郊外にいけばいくほど土地値は3分の1、4分の1、5分の1になる。ところが、家賃は1割、2割、3割しか落ちません。これはどの地方でも一緒です。そうすると、土地値は安いが家賃がそこそこ取れるゾーンが必ず出てきます。需要がないゾーンにいってはだめなのです。
猪口 その線引きはどこでするのですか。人口密度あるいは学校の有無など、何かポイントがあるのでしょうか。
大熊 要は家賃がつくかどうかです。戸建てには統計的なデータがほぼありません。ある賃貸不動産サイトの担当者に聞いたのですが、そのサイトの膨大なデータはすべてマンションのもので、基本的に賃貸としての戸建てのデータはほとんどないそうです。だから実際には分からない。われわれは現場に行って、物件を見て、不動産屋を回って、さまざまな調査を行っています。2,000件を超える実績があり、そのノウハウも入れながら、ここならいけるだろうと判断しているわけです。
猪口 それほど戸建て賃貸自体のマーケットが少ないということですね。
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