「戦略なきBtoB営業」「戦略なきBtoBマーケティング」を展開し続けるとどうなるのか?
営業やマーケティングにおける「部分最適」とは、「電話営業のアポ率を向上させる」「WEBサイトのCVRを向上させる」という具合に、ある特定のKPIの向上のみにこだわってしまうことをいう。「全体最適」とは、売上や利益を最大化するため、自社のリソースのキャパシティを見ながら、各KPIのバランスを整えていくことをいう。
戦略がない場合、営業やマーケティング全体を俯瞰することができないため、部分最適化が進んでしまう。その結果、それぞれの担当者が自分の成果を主張することとなり、各担当者は成果が出ているように見えるのに、なぜ売れないのか?と悩むことになってしまう。
BtoB企業でよくある具体例で言えば、下記のようなケースが考えられる。
- 展示会の担当者は展示会でのリード獲得件数にこだわり、過去最高のリード獲得件数が実現
- 過去最高のリード獲得できたので、インサイドセールスチームがそれらのリードに対してフォロー電話やメールを実施。アポイントも多数取得できた
- 営業部門がアポイントの取れたリードに訪問するも、話を聞くだけで終わり商談にならない(売上にならない)
上記は、部分最適の一例であるが、展示会やインサイドセールスが自分のKPI(リード獲得件数やアポ率)の向上のみに焦点を当ててしまったため、そのしわ寄せが営業部門で発生した例だ。
この場合、展示会の担当者、インサイドセールスにおいては部分的に最適化されているが、全体で見れば売上につながっていないため、全体最適されていないことになる。戦略がないとこういった事態に陥る可能性がある。
さらに、部分最適化がひどくなると、各担当者は「自分の与えられたKPIさえ向上させれば良い」と考えるようになる。その結果、「自分はちゃんと成果を出しているのに●●●部門が成果を出さない」というような思考となって、部門間対立の要因になってしまう。そして、営業ノウハウやマーケティングノウハウが属人化し、営業の個人商店化が加速することにもなるだろう。
質と量のバランスが崩れる
戦略がない場合、営業やマーケティングで獲得した新規リードや新規顧客の質と量のバランスが崩れ、売上や利益の最適化できなくなる。なぜなら、先述した「目先の数値(自分の担当する数値さえ上がればいい)」に追われ、全体最適できないからだ。
営業やマーケティング活動を展開すると、新規リード獲得や新規顧客獲得が時間と共に常に発生する。この時、「質の高さ」とは、「将来的に優良顧客となりえる可能性のある新規リード、新規顧客かどうか」を意味する。逆に量とは、その名の通り、「数」のことで、新規リードや新規顧客の獲得件数のことである。
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株式会社ALUHA 代表取締役社長
BtoBマーケティングコンサルティングを展開。大手IT企業、製造業を中心に、伴走型コンサルティングを展開中。リソースを効率的に活用し、最小限の工数で効果を最大化するコンサルが得意