今回のコラムでは、BtoBの営業戦略で重要なソリューション営業について解説する。ソリューション営業とは何か?他の営業(商品提案営業、御用聞き営業)と何が違うのか、どのようなステップで営業するのかについて解説する。
課題・問題点「売り込みしにくい」
ソリューション営業は、商品提案営業と違って「商品を売る」のではなく、「解決策を売る」ことになる。そのため、自社製品を売り込みしにくい時がある。
例えば、製品Aを売りたい時を考えてみよう。ある顧客に対して課題調査をすると「課題Bを解決したい」ということがわかったとする。この時、「課題Bを解決するには製品Aでは物足りない」となればどうなるだろうか?売り込みができなくなるのである。仮に提案したとしても、顧客も「これでできるの?」と不安がり、受注にならないケースが多くなるだろう。
課題・問題点「必ず解決するとは言えず、事例が必要」
そして、ソリューション営業の最も大きな問題点は、「解決策の提案」といいつつも、「解決を保証することができない」というジレンマがあることだ。そのため、ソリューション提案をする場合は、「解決できた事例」をたくさん作っておく必要がある。
しかし、これは鶏と卵問題に繋がる。「受注」がなければ「事例」は生まれないため、「事例」がないと「売れない」となれば、まさに鶏と卵問題そのものである。事例が先か、受注が先かある。
このように、ソリューション営業はメリットもあれば、課題や問題点も抱えている。そのため、自社の製品の特性や、営業リソース、営業戦略と合わせて、採用すべきかどうか、検討しなければならない。
ソリューション営業を行うための3つのステップ
では、ソリューション営業を行うための「3つの手順」をご紹介しよう。この手順通りに進めば、ソリューション営業をするための提案書をどう作るか?がある程度見えてくるはずだ。
(1)顧客の課題を知る
(2)顧客の課題を解決する方法を考える(売りたい商品をどう使うか?)
(3)セールスメッセージを決める
では各手順について詳しくご紹介しよう。
ステップ1「顧客の課題を知る」
ソリューション営業は顧客の課題を解決する方法を提案するため、まずは課題を知らなければならない。課題を知るには、顧客に聞くか仮説課題を立てるかの2つしか方法がない。
顧客に聞く
顧客に聞く場合は、対面調査とアンケート調査といった方法がある。例えば、既存顧客に聞く場合を考えてみよう。既存顧客の場合、「顧客満足度調査」を実施すると良いだろう。
「顧客満足度調査」は、自社製品やサービスを購入し活用している顧客に対して、製品の満足度を調査するが、その中で「今後、どういう課題解決に挑戦したいか?」を聞き出すとよい。
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株式会社ALUHA 代表取締役社長
BtoBマーケティングコンサルティングを展開。大手IT企業、製造業を中心に、伴走型コンサルティングを展開中。リソースを効率的に活用し、最小限の工数で効果を最大化するコンサルが得意