著書『Good Team 成果を出し続けるチームの創り方』(日経BP)も上梓し、人材/組織開発のプロフェッショナルと変わらず活躍を続ける齋藤秀樹さん。昔のマネジメントスタイルを捨て、組織のOSを変えなければならないと熱く語っていただきました。(聞き手:猪口真)
OSごとバージョンアップしない限り日本は再生しない
猪口 若手リーダー向けのコンサルティングが増えているということですが、現場ではどのような問題が起きているのですか。
齋藤 例えば、50代後半の事業部長が独裁で、業績が下がっているのにまったくやり方を変えようとせず、具申した部下が飛ばされる。それで、どうしたらいいですかと若い有能なリーダーが相談に来るのだけど、どうしようもありません。その人を飛ばせるか変えられる人間となると、社長になってしまうからです。社長と直談判するしかなく、社長とのパイプがないのであれば、違う会社に行くしかありません。こんなことが未だに日本中で起こっている。
僕らはよくOSという言い方をするのですが、OSが昭和なのであって、アプリケーションの問題ではありません。小手先の機能を少し変えれば日本は再生するという時代はとっくに終わっています。OSごとバージョンアップしない限り日本は再生しない。企業によりますが、そこに危機感を持っている人事の役員もいるので、例えば僕らのような組織づくりのコンテンツを持っていくと、自分たちがやっていることがいかに時代に合ってないか一応自覚はします。とりあえず自分たちがやっていることはちょっと違うということを自覚してもらうきっかけ作りになります。
猪口 それはマインドセットの問題なのでしょうか。確かに既得権にしがみつくようなズルさはあるとは思いますが、考え方自体もそういうことですよね。
齋藤 悪い良いではなく、昭和の時代はそのようなマネジメント、考え方が通用していました。トップダウンで意思決定をして、部下が具体的なことを決定していく。答えが出やすい時代であればそれで十分通用しますが、テクノロジーをはじめとした世界の変化スピードが高速化している今、来年のことすら予測が不可能な状態です。天才も稀にいますが、天才ではないリーダーたちがほとんどで、その人たちが采配できる時代ではもうないのです。本当はそこをまず手放して、メンバー1人ひとりに権限委譲しなければなりません。しかし、日本の場合は、権限委譲はおろか次世代リーダーの育成も全然できていないので、正直なところ手放して渡す先もあまりありません。今までのリーダーにはきちんと育成をできる人が少なく、そこにもいろいろな問題が山積していますが、それに真っ向から向き合っている経営者も少ない。
猪口 リーダーのOSを変えるアプローチはどのようなものなのでしょうか。
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