著書『Good Team 成果を出し続けるチームの創り方』(日経BP)も上梓し、人材/組織開発のプロフェッショナルと変わらず活躍を続ける齋藤秀樹さん。昔のマネジメントスタイルを捨て、組織のOSを変えなければならないと熱く語っていただきました。(聞き手:猪口真)
猪口 齋藤さんは、コロナに対しても、危機というより挑戦という感じだったのでしょうか。
齋藤 もちろん、危機感はありましたがとても良いチャンスと捉えていました。ある意味、コロナは黒船だったと思います。皆前例踏襲で変わったことをしたくないので、最初はみんな抵抗しますよね。それでも何か教育的なことをやりたいというニーズはあって、「じゃあ、騙されたと思ってやらせてくれ」と。それでやってみると予想外に評価がとても高くて、「これでいいじゃん」とコロッと変わるんです。コロナがなかったら今でも常に出張状態だと思います。
僕は今京都に住んでいますが、自宅でほとんどが成り立っています。「住みたいところに住む」というのがこの10年前くらいからの生き方で、京都の前は福岡に住んでいました。仕事は東京が多いので、昔は、多い時で月の半分以上東京でホテル暮らしをしていましたが、今はピンポイントで、あとは大体リモートなのでバランスが良くなりました。
猪口 コロナでチームビルディングを基本であるコミュニケーションがこれまでのように取れなくなり、危機感を覚えた組織も多かったのではないかと思います。
齋藤 昨今「心理的安全性」という言葉がよく言われますが、心理的安全性というのは信頼関係と多様性が活かされる本音が言い合える場作りなので、そこをしっかり作れないとパフォーマンスが出ないというのが結論です。しかし、日本の経営層もリーダー層も新たな価値観や時代に合った変化を勉強しない集団になっています。ですからはやり言葉のように表面的に言葉は使用しても本質をまったく理解していません。日本において心理的安全は15年以上前から必要でした。それに気づけないことが現在の日本の経済的停滞を生んでいます。現象面だけ見てあたふたしている状態で、コロナでさらに加速した企業も多い。結論から言うと、うつ病が多発している企業が多くなり、コミュニケーションが成り立たないので業務が破綻している。いろいろな問題が起きている企業がある一方で、逆に生産性が上がった企業もある。生産性が上がった理由は簡単で、過度なマイクロマネジメントをできなくなったからです。無駄なコミュニケーションがむしろ減って、メンバーがのびのび仕事できるようになった。そういう意味でいうと、日本の管理職の半分以上がいらないのでしょうね。僕がそれを歯に衣を着せずに言うと、皆のけぞりますが(笑)
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