基盤のないところから独立し、苦労を重ねながら、現在は企業の人材獲得、大学・大学院のキャリア支援、面接官や人事評価社研修、メンタルヘルス研修等の分野で幅広く活躍。人とコミュニケーションの「戦略的活用」を掲げ、人と組織を支援し続けています。 インサイトナウの記事から大きく変わったと語る増沢さんにお話しを伺いました。(聞き手:猪口真)
猪口 何かを伝えるときはそれなりの演出を考えることが大事で、一辺倒ではだめだということですね。
増沢 やはりタイトルで引っ張らないことにはクリックしてもらえません。だからといって、いわゆるタイトル倒れは一番避けたいところです。クリックして、こんなことわかっているということも、中身が違うということも避けたい。読んでもらえることが大前提で、読んだうえで、「なるほど、こんなことを言う奴もいるのか」と思ってもらいたいわけです。たまに反発を買ったり、プチ炎上したりすることもありますが、それもある程度は予想していて、そこには大炎上しないような仕組みをいくつかつけています。「こいつの言っていることも一理ある」というコメントが1つか2つでもあると嬉しかったりします。
猪口 増沢さんの戦略的コミュニケーションは、その辺りのネット上の話も含めたところに真髄があるということですね。
増沢 私はそう思っています。柱はけっきょく同じです。戦略という言葉がどのような意味かにもよりますが、コミュニケーションは単なるツールであって、それ自体に意味はありません。自分の意志や成果ができるかどうかであって、できないのであればどんなに上手く喋っても意味がないですし、一言も喋らずにできるのであればそれが一番です。
ネットの記事はまさにそういうことです。喋りでも同様で、例えばテレビに出るときも使いやすさを考えています。テレビ局から「すごく切りやすいです」と褒めていただいたこともあります。使われるのが数秒ということもありますが、ポイントによってカットしやすいように考えて喋っています。
猪口 自分のキャリアを作るうえでも、周囲の人や将来のお客様、上司など、いろいろな人とのコミュニケーションが必須です。今おっしゃった戦略的なコミュニケーションという意味で、キャリア形成をするうえでどのようにコミュニケーションを作っていったらいいか、アドバイスはありますか。
増沢 コンサルタントやコンサルティングに関心がある方は、いわゆるスーパープレゼンのようなものに憧れているのだと思います。あれはあれでいいのですが、私が目指すものではありません。大事なのはその目的です。上司と話すとき、クライアントと話すとき、部下と話すとき、当然全部やり方が違うはずです。ただ単にうまい喋りができればいいというわけではなく、環境だったり目的だったり、よく言う「仕込み8割」で、仕込みが一番大切です。表で見えているのは2割以下なので、仕込みをきちんとするべきです。
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インサイトナウ編集長対談
2022.08.12
2023.03.24