2022.11.24
【インサイトナウ編集長対談】今の組織で結果にこだわることでスキルを上げ、外でもチャレンジする。 だめなら戻ってきてまた頑張れば良い
INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社
大手教育会社から独立し、独自の研修プログラムを開発し、順調にビジネスを継続されている柳田さん。 ご自身のビジネス戦略と企業教育の在り方についてお話しを伺いました。(聞き手:猪口真)
半歩踏み出すぐらいがちょうどいい
猪口 例えば、今30代で大きな会社で働いている方が悩んでいたとして、一通りの勉強はもちろん必要だとしても、踏み出せば何とかなると思いますか。
柳田 時代が相当変わっていますが、実際に自分のスキルを持ち出すという働き方はありだと思います。自分の市場価値が足りないにしても、何がどれくらい足りないのか知るチャンスは昔よりずっと多くなっています。なので、こっちはどうだろう、あっちはどうだろうという感じで、半歩踏み出すぐらいがちょうどいいのではないでしょうか。ただ、社内失業という言葉があるように、あまり社内で仕事していないとスキルは上がりません。また、YouTube等を見て勉強した気分になっていてもしょうがなくて、やはり事業の中でもみくちゃになって成果を出すことによってスキルは磨かれます。そうして磨いたスキルを持って会社の外でどれくらい戦えるかチャレンジする、だめなら社内でまた頑張る、というのが新しいやり方ではないかと思います。
一概にはいえませんが、大きな会社に入れたことはラッキーだと思うので、そのラッキーは使ったほうがいいと思います。大きな会社には人を育成する仕組みもたくさんあるし、新しいスキルを獲得できる仕事もたくさんあると思います。
ちなみに私が独立したばかりの頃は28歳でしたが、その頃には分不相応な金額をもらっていました。それは、BtoBの取引で会社として見られていたからです。しかし、逆にBtoBでは労働集約型の業務でも年功序列は関係なくて、10年経っても金額が変わりません。
その仕事が好きでずっと続けたい場合はよいのですが、個人としてビジネスとの向き合い方も少しずつ変えていかないとスケールさせるのは難しいと思います。
組織としての共通認識をどうやって醸成していくかが重要
猪口 柳田さんから見て、今後の社内研修やeラーニングはどちらの方向に進むと思いますか、あるいは進むべきでしょうか。
柳田 それに答えるには、ユーザー企業がどちらの方向に進むのがよいか、と考えるのがヒントになるかと思いますが、大きく会社としてやれることと、個人が動かなければならないことがあるかもしれません。
会社としてできるのは、組織としての共通認識を持つことです。モノもサービスもコモディティ化していくなかで、差別化を生むのは組織の価値観や風土の独自性がポイントになると思います。従業員全員が組織の価値観に深く共感してくれたら嬉しいですが、そこまでいかなくても、我々は何者でどこに向かっているのか、何をやって良くて何をやってはいけないのか、ということを組織として共有する。これは非常に大事なことです。その手段の1つとしてコンプライアンスがあったりするわけです。大事なのは、「組織としての共通認識をどうやって醸成していくか」です。
個人としてのスキルはかなり凸凹があるので、それを一斉教育でやるのは非効率なケースが多いです。前提知識のバラツキは教える側にとっても厳しいですし、学ぶ側にとっても、知っていることがたくさん出てくるとか、知らないのにいきなり応用編が出てくることもあるかもしれません。そこは個人が、自分が学ぶべきことを正しく把握して、きちんと学ぶ。職場としては、それが研修かどうかはわかりませんが、知識的な提供もあるでしょうし、経験から学ぶこともたくさんあると思うので、そのような機会を意図してつくることが大事です。
それぞれの事業部や個人によって、必要な教育は異なります。それを会社が無理やり与えたところであまりいいことはありません。会社全体としてやるべきことと現場でやることを分けて考えることが大事だと思います。
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インサイトナウ編集長対談
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