中国で、外国人が出版や広告業を営むのは至難の業。にも関わらず中国政府公認で情報誌ビジネスを展開している日本独資企業がチャイナ・コンシェルジュである。当初、日本人向け情報誌からスタートした同社が、中国フリーペーパー業界でオンリーワンのポジションを確保するまでの経緯を辿る。
「たとえば固定電話が普及する前に、携帯電話の普及台数の方が上回ってしまいました。ネットにしても電話線接続なんてまだるっこしい時代を経ることなく、いきなり光回線がバンバン引かれていく。上海などのダイナミズムを見ていると、日本に追いついてきているというよりもむしろ、凄まじい勢いで日本を飛び越していますよね」
そのような市場だからこそ、日本の後追いをすることに意味はないと大西社長は言う。日本のようにマスに訴えるのではなく、中国ではターゲットを絞り込んだフリーマガジンこそがより有効なのだ。『MeHer』は、単なるフリーマガジンではなく日本企業のマーケティングツールとして重宝されるようになってきている。単なる雑誌としてではなく、上海の先端的なOL達に対してアンケート調査を行ったり、あるいはサンプルの配布を効率的に行なったりといったツールとして、多角的に利用されているという案配だ。
日本人向け情報ビジネスでがっちりとしたベースを固めたチャイナ・コンシェルジュ社の次なる狙いは、中国人マーケットである。社長自らが中国で孤軍奮闘、現地の人と密に接してビジネスを展開し、その中で掴んできたノウハウは、ほかの日系企業には真似のできない深みと広がりを備えている。
日本と中国各地に拠点を置きながらしっかりとまとまり、まさに急成長期に差しかかっている同社は一体、どんな組織なのだろうか。
⇒次回「やりたいのはコンシェルジュ。これまでも、これからも」へ続く(全四回)
『株式会社チャイナ・コンシェルジュ関連リンク』
・株式会社チャイナ・コンシェルジュ
http://www.concierge.com.cn/index.html
・ちゃいなび CHA I NAVI
http://www.chainavi.jp/china/index.html
・ちゃいなび ワークス
http://www.chinajob.jp/
(インタビュー:竹林篤実/戸井 雄一朗 構成:竹林篤実)
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FMO第6弾【株式会社チャイナ・コンシェルジュ】
2008.04.08
2008.04.01
2008.03.25
2008.03.18