【インサイトナウ編集長鼎談】プロフェッショナルとして、コンセプトペーパー、アクションプラン、オペレーション、すべてが必要(前編)

2022.07.08

経営・マネジメント

【インサイトナウ編集長鼎談】プロフェッショナルとして、コンセプトペーパー、アクションプラン、オペレーション、すべてが必要(前編)

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

長年、人材開発担当として、企業内で多くの研修を企画運営されてきた富士 翔大郎さんと、ビジネスパートナーとしてお仕事をご一緒されてきたマーケティングコンサルタントの金森努さんと鼎談(前編)をお届けします。特に人材開発担当の方は必読です。

猪口 不安や煽りから入るのは、研修の1つのスタイルとして確立されていますよね。そこで気が付いてほしくてやっているのでしょうけど、今おっしゃったように逆効果ですね。

アドオンせずに現在の仕組みの中で付加する

富士 日本のビジネスパーソンの多くは「手を動かしていないと仕事してるように見えない」という意識があって、効果面よりもやったという事実が重要になってしまいがちです。その結果どうしても施策では作業をアドオンしてしまいます。以前、全社員にES調査を行ったのですが、全体的に精神面やモチベーションの点数が低く惨憺たる結果が出ました。そこでコミュニケーションと健康増進施策として運動会をやることになったのです。すでに仕事と生活でいっぱいなのに、そこに運動会がアドオンされてしまう。当時、日本企業ではバーベキューや社内旅行が復活し始めていて、運動会も増えていました。ところが、蓋を開いてみたら出席率は高くない。運動会は土日でしたが、今の若者はONOFF切り替えますし、土日には仕事からは離れたいのです。多くは人事部関係と運動好きが来ているくらいで、全社というには少し無理がありました。私自身折角の休みがなくなるので辛かったです。以来何かをアドオンする施策はやらないようにと思いました。

そこで研修というコミュニケーションチャンスを偶然の産物にとどめてしまうのではなく、この機会を本当に「人的ネットワーク・社内人脈」構築の場として確実に効果を得られるよう工夫することとしました。お金と時間を使ってアドオンするのではなく研修のやり方を少し工夫してみるのです。これで私の研修スタイルが出来上がって行きました。まず1ヶ月前にはグループワークのチーム編成を決めて、先に簡単な事前課題をチームに出して、メールやネット上で交流してもらいます。忙しい中なので事前課題は深い議論するほどのものではなく、楽しくスムーズにできるものです。課長研修であれば、自己紹介をしながら、自分が過去に出会った理想的あるいは良い課長を何名か出し合い、それらをもとに数日後にチームで理想の課長を一言で簡単にまとめて提出してもらいます。簡単ですが、昔話は非常に盛り上がるものです。1カ月間交流していると、(今ならWEBミーティングですが当時はメールやSNSだったので)顔は知らないけどかなり馴染みになり、会うのも楽しみになります。また遅れて迷惑をかけないようにしようと心がけるので研修当日皆さんかなり早目に来てもらえます(私たち的には準備する時間がなくて正直迷惑なぐらいでした)。びっくりしたのは本当に遅刻がゼロになったことです。それまではSE担当には徹夜で仕事してそのまま来る人が普通にいました(仕事優先で研修なんて忘れてるレベル)が、調整してくるようになったということです。

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