鉄道の沿線に宅地造成をはじめたのを皮切りに、百貨店や動物園、温泉、宝塚歌劇団などのレジャー産業を沿線に立ち上げ---乗客を誘致するのではなく、創り出すという新しい発想で鉄道事業の道を切り開いたのが、阪急の小林一三だ。私の大好きな彼の言葉を、これから社会へ出て様々な試練に立ち向かうであろうキミ達に贈りたい。
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」
(小林一三)
◇私は、阪急電鉄を成長させた実業家・小林一三のこの言葉が大好きだ。
高校時代の私は、柔道部にいて、それなりに強かったが、先輩からは、
ちょっと評判がよくなかった。大掃除の時、ちょっと怖い先輩が、私に
便所掃除を命じた。私は、何でこの自分が便所掃除なんかしなくてはな
らないんだ!と思って、「え~?何で僕が?」と反論した。その瞬間に
先輩の鉄拳が飛んできて、一発触発の事態になった。この事態を救って
くれたのが、今テレビで活躍している「まいう!」の石塚英彦君だ。彼
は、一緒に便所掃除をしてくれたのだ。それも喜んで。
◇この事件以来、私は、嫌な仕事を自分からしない限り、他人には、評
価してもらえないのだなと思うようになった。そして、成人して、この
小林一三の言葉に触れるようになって、どんな仕事でも、一流になれば
いいのだと思えるようになった。どうだろう。そう思うまでに十年以上、
そして思ってから十五年以上が過ぎているが、なかなか一流の粋まで達
していないように思う。
◇私たちを取り巻く現実は、時に理不尽なこともあれば、今までの積み
重ねの結果として自分の前に立ちはだかる時もある。そのどちらをも、
自分のこととして受け止めて、その中で努力していくことが、私たちの
人生だ。それを受け入れることを拒否して、自分のことではないと思っ
て、逃げていてもはじまらない。この自分が何でこんな現実を与えられ
たのだ!?と嘆いてみても仕方がないのだ。
◇一番辛い仕事を与えられたなら、その仕事をマスターして、誰をも凌
ぐ実力を手にすればよいのだ。若いうちは、自分の希望なんて通ること
はないのだ。年を取ってからですらそうなのだから。
◇現実を受け入れ、その中で自分自身に挑戦していくしかないのだ。
多少理不尽な扱いでも「何でこの俺が!?」と驚く必要はない。
「よし!この俺が何とかしてやろう!」と立ち上がっていこう。
そういう人生の方が、よっぽど面白いはずだ。
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2008.04.01
2008.04.12
合資会社 マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表
1961年、神奈川県横浜市生まれ。 現在、合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表。 NPO法人 ピースコミュニケーション研究所理事長。