コロナ下で就活生がすぐ見分けられる企業体質

2021.01.18

組織・人材

コロナ下で就活生がすぐ見分けられる企業体質

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

経済との両立を旗印としてコロナ無策の結果、経済まで立ちゆかなくなりそうな昨今。一方で就職活動をする学生は、年明けとともに正に就活本格化の正念場を迎えています。まず始めに一番悩むのが会社選びですが、コロナによって企業体質が見やすくなっていることがあります。

・コロナの影響もわかる質問
それはオンライン/在宅業務比率です。
サービス業、小売業、外食、観光、旅客産業など、オフィスワーク以外がメインとなる職務は当てはまらないでしょうが、いわゆるオフィスワーク主体の企業であれば、政府は在宅勤務を奨励しています。オフィスワーク部門の在宅業務比率、週○日とか係長以下は半分ずつ交代勤務といった状況を聞いてはどうでしょう。

在宅業務の比率が高いということは、コロナの経営への影響も低いことになります。「業績はどうですか?」と聞くよりよほど当てになるのではないでしょうか。何より職場での職務分掌が明確化されていることで、在宅勤務が実現できています。

その逆に、オフィスワークでもほとんど在宅勤務を実施していないとか、全員朝イチの朝礼・会議があるので一旦は出社が原則という会社もあるでしょう。あくまで政府は在宅勤務の奨励であり今の時点で強制はされていません。自由意志の結果の判断がそうなっているといえます。繰り返しますが、在宅では不可能、著しく効率の悪い業務ではなくあくまでオフィスワーク担当者の在宅業務比率であることを忘れないで下さい。

・根性論と合理性
菅首相が年末にステーキ会食をした件は大批判を浴びましたが、政治家は会食が仕事なので止められない、政治家はメシを食わないと本音で話し合いができないと同年代の政治評論家は弁護します。経営トップがこうした考え方の企業は、恐らく全員出社や対面会議を重んじることでしょう。出社することに意義があり、オンライン会議では意思決定ができないとか、仕事が進められないといった話を聞きます。

ちなみに私自身は根性論が嫌いな訳ではなく、社会・ビジネスの場ではある程度理不尽さがある以上、完全に理論通りに仕事が進められる訳ではないと考えています。しかし「オンラインでは話し合いができない」などと言うような部下であればその能力評価は厳しいものにするでしょう。「出張で対面しないと誠意が伝わらない」ような顧客は、恐らく他でも理不尽で非科学的な要求をしてくる恐れがあり、そんな顧客に依存しなければならないビジネス環境なら、それこそ将来性がないと判断するでしょう。(実際私の顧客各社は対面社員研修や講演を、すべてオンライン研修に代えてくれました)

こうしたギャップはいわゆる「古い体質」かどうかを判断するのに適していると思います。明らかに不合理でも昔からの慣習を代えることができない会食政治家のように仕事をしたい人は、これを目安に自分の望む職場選びができます。そうした理不尽さを少しでも排し、合理的に職務を進めたいのであれば、それを実行している企業姿勢の会社を選ぶべきです。その目安として、オフィスワークの在宅勤務比率は大いに参考とすべきでしょう。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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