マルちゃん正麺をPRするマンガがツイッターで公開されたところ、女性差別、家事をするのは主婦と決めつけたといった批判投稿が寄せられたとのこと。このような批判意見にどう対応すべきか、実はPR問題ではなく経営陣の判断力が試される場なのです。
実際にネットニュースへの反応のほとんどは「考えすぎ」「一部のクレーマーに負けるな」「次が見たい」という企業への賛同が圧倒的です。
しかしこうした現場の生きた反応より、会社上層部の「無難な収拾」が経営判断されることが少なくありません。謝っときゃイイダロ的、間違った意味での「お客様は神様」信仰を持つ一定層が上層部には食い込んでいるからです。
・現場を台無しにするだけでなく、真のお客をもつぶす
どれだけ現場マーケティングや広報などががんばって認知向上を図っても、無知な上層部・経営陣が間違った判断をしてしまえばすべて台無しとなります。無知な経営陣こそがクレーマーを育成するのです。そしてそれはさらに本来のお客様であるサイレントマジョリティを無視する行為でもあります。
本当のお客様はクレームで声など上げない人が圧倒的多数です。そうした人たちから見れば、世間離れしたイチャモンのクレームに屈するような会社こそ、自分たちを無視する姿勢と映るでしょう。クレーム対応は単に逃げ腰で解決することは絶対にありません。脅せば屈するダメ会社という認識を避けることは、クレーム対応では非常に重要な戦略です。
「精査している」というマルちゃん正麺が、クレーマーに屈することなく、本事態を上手に乗り切ることを希望してやみません。
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2021.04.16
2022.01.31
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。