経営者よ、コミットせよ! 成果を生む人財・組織開発に(6) 

2008.03.18

組織・人材

経営者よ、コミットせよ! 成果を生む人財・組織開発に(6) 

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

組織が組織を構成するメンバーの人数分以上のパワーを生み出すための、法則と要件が明確にあると言うことです。 そしてそれは、左脳的に頭で理解するだけでは不十分であり、右脳的な体感と「腑に落ちる」といった気付きが伴って初めて実現され、真に人が本気になる(コミットメントが生まれる)ということです。

■チームビルディング:組織を成長させることで組織力は飛躍的に向上する

何年も一緒に同じ部署で机を並べているのに、互いの知っていることと言えば、表面的なことばかり。人と人が真に繋がることで生まれるシナジーは、表面的な関係のままで、どんなに議論を重ねたところで生まれることはないのです。

組織は、人を成長させる揺り篭です。しかし、揺り篭自体が人の成長を損なう劣悪な器であったとしたら人は成長できず、組織力も失われ成果を生み出すことなどできないのです。では、人が成長し、組織力を生み出す器であるためにどのような取り組みが重要となるのかをお話したいと思います。

私達が着目し、組織変革に適用し、極めて大きな成果を挙げている組織成長モデルがあります。それは、チームビルディングモデル:「タックマンモデル」です。

タックマンモデルとは、以下に通り「フォーミング」「ストーミング」「ノーミング」「トランスフォーミング」といった4つの段階を経て、組織(チーム)が成長するということをモデル化したものです。

はっきりと私達が確信したことは、組織が組織を構成するメンバーの人数分以上のパワーを生み出すための、法則と要件が明確にあると言うことです。
そしてそれは、左脳的に頭で理解するだけでは不十分であり、右脳的な体感と「腑に落ちる」といった気付きが伴って初めて実現され、真に人が本気になる(コミットメントが生まれる)ということです。

【チームビルディングモデル:タックマンモデルの概要】

□第1段階:フォーミング(形成期)
初対面の人たちが一つの大きな丸テーブルに座っている。何となくチームであることは分かっているが、共通目的も曖昧で、互いのことも良く分からない。徐々に差しさわりのないこと(建前論)を話し始める。誰もリーダーになりたがらず、責任の所在も曖昧。誰も自発的に行動しようとはしない。組織シナジーは生まれない。

□第2段階:ストーミング(混乱期)

組織課題が明示される。チームの個々のメンバーに緊張感が生まれる。各メンバーは自己の面目と存在価値を示そうと意見を出す。自己主張のぶつかり合いによる混乱が発生する。一定期間の衝突の過程でメンバー相互の特性を互いに学習する。いずれ混乱状態は収束に向かうが方向性は2つのパターンを伴う。一つは混乱状態の長期化に伴い疲弊し諦めによって収束する場合。もう一つは、メンバーの強み弱みについて互いが認識し、チーム課題に合ったメンバーの活用形態がルール化される場合。組織シナジーは生まれない。

次のページ□第3段階:ノーミング(標準期)

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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