能力や視野・視点などがバラバラである状態をいかに作るか。
三点目は、機会不足である。能力や視点が多様であっても、その多様性を自覚できたとしても、発揮する機会がなければ、企業組織にとっても本人にとっても意味がない。実際に、特に大企業において昔の「男性正社員」中心の仕組みが色濃く残っているので、それ以外の人たちの機会は著しく制限されている。「男性正社員」的にならなければ、違いを発揮する機会が与えられない。また、前述した上から目線の先入観も、機会不足の大きな要因となっている。
機会は、力を発揮するだけでなく、成長のチャンスでもある。本人の成長はもちろん、組織にある多様な能力や視点を鍛えるためにも、機会は重要だ。機会の提供こそが、多様性をさらに強化する手法とも言えるだろう。しかし、残念ながら現状は、「男性正社員」中心の仕組みと、それ以外の人に対する上から目線の先入観によって生じている機会不足は、軽視できないレベルである。
組織というもの
2017.08.04
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2022.08.04
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。