企業の大失敗の要因を分析していた我々がたどり着いた結論。 それは、驚くべきものでした。 「大失敗は、トップが“名経営者”だからこそ起こる」 それが、我々チームがたどり着いた結論だったのです。
その5 会社のスポークスマンになりきり、会社のイメージ作りやその管理に最大の努力を傾ける
会社の本質的な価値を上げることよりも、会社のイメージ作りを重要視することもまた、危険な兆候です。
会社のイメージづくりを目的化していくと、やがては有価証券報告書さえも会社のイメージづくりのためのツールと化してしまい、粉飾に手を染めることにつながっていきます。
また、大失敗した経営者の中には、企業のテレビコマーシャルなどに自ら登場したがる経営者が非常に多く存在しました。この点に関する経営者のビヘイビアは、重要なリトマス試験紙となるでしょう。
その6 大きな障害を一時的な不都合のように見くびる
自らの描いたビジョンに夢中になるあまり、その実現にいたるまでの困難を見過ごしてしまうケースが多く見られました。
自らの過ちを認められないメンタリティを持っていると、問題に直面した時に、さらに前に進むしか選択肢は残っていません。(これを、エスカレーション・オブ・コミットメントと呼びます)
こうして、「小さな失敗」は、あっという間に「大失敗」へと成長していくのです。
その7 かつてうまくいった成功体験にしがみつく
大失敗をする経営トップは、かつて自らが経験した成功にこだわるあまり、組織をより窮地へと追い込んでいきます。
「アンラーニング」は、誰にだって容易なことではありません。しかし、自らをもって名経営者だと任じている人にとってほど、困難なことはないでしょう。
以上、「大失敗する人の7つの習慣」を紹介しました。
いかがでしょうか?
皆さんの組織のトップや、皆さん自身にどれだけ当てはまる部分があったでしょうか?
悲惨な大失敗を引き起こさないように、時折、組織のトップや自らの姿勢について、チェックされることをお薦めします。
(このコンテンツは、日経BP社「名経営者が、なぜ失敗するのか?」シドニーフィンケルシュタイン著、橋口寛監訳に基づき、書かれています)
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失敗学
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