ニューノーマル時代のスタンダード?「パジャマスーツ」

画像: re:publica

2021.03.02

営業・マーケティング

ニューノーマル時代のスタンダード?「パジャマスーツ」

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

紳士服のAOKIから発売されている「パジャマスーツ」が売れているという。 確かに、コロナ禍における今日の生活者のニーズを適切に捉えた商品なのである。

コロナの感染者数は落ち着きを見せてきているが、延長された非常事態宣言下であり、ワクチンの準備の進んでいない中、まだまだ安心できない。そんな中、多くの企業で実施されているのがリモートワークである。企業における導入率の推移は<(2020年)3月:24.0% 4月:62.7% 12月:51.4% (2021年)1月前半:57.1% 1月後半:63.5%>と確実に高まってきている。

(2021年02月05日発表・東京都新型コロナウイルス感染症対策本部・報道資料)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/02/05/27.html

リモートワークは、うまくやれば無駄な時間が削減できて、仕事の効率も上がる。だが、一つ悩ましいのが、ZOOMなどを使ったオンラインミーティングではないだろうか。何が悩ましいって、そのミーティングの時の「服装」だ。
筆者はマーケティングコンサルタントとマーケティング研修講師を生業としているが、クライアントとのミーティングも、研修の講義も9割方がオンラインになっている。当然、コンサルティングでのプレゼンテーション・報告会や、講師として研修の講義を行う時などは、ネクタイ、ジャケット着用である。しかし、何度も顔を合わせている担当者とのミーティングなどは、タートルネックセーターなど、カジュアルなスタイルで失礼させていただいていることが多い。相手の担当者も在宅ワークでわざわざカッチリしたスーツに着替たりぜずに、カジュアルな服装なことが多いからだ。ただ、時々、担当者がオフィスに出社して会議室からアクセスしてきたり、そういうときに限って予告なしに上司の方も同席していたりして、揃ってカッチリしたスタイルだったりすると、かなり気まずい。
筆者のように、対クライアントであればかなり問題だが、同じ社内でもシフトを組んでオフィス出勤者を制限している企業も多く、相手のシフトまで覚えていないので、どんな服を着て画面に現れるかは、接続してみないとわからないなんてことも多いだろう。

自宅でのリモートワーク中は、負担のない楽な格好で過ごしたい。かといって、オンラインミーティングの度にわざわざ着替えるのは煩わしく、負荷がかかる。でも、カッチリした服装の相手と全く合わないような、不格好なことにはなりたくない・・・。

筆者は「ニーズは、ふ(不・負)の字に隠れている」と、ニーズを明らかにする方法をかねてから提唱してきたが、正に、「負担・負荷・不格好・・・」という「ふの字」=「ニーズ」が、多くのリモートワーカーには存在しているわけだ。つまり、「不格好にならずに、ある程度相手に対する印象が良く、かつ、着替えの負担・負荷なく楽に過ごしたい」というニーズである。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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