2015.09.16
優秀人材は2~3年かけて口説くことも。人材採用の革命的手法「タレントプール」という考え方
HRレビュー 編集部
株式会社ビズリーチ
マッキンゼー・アンド・カンパニーが1997年から2000年にかけて、主にアメリカで実施した人材の獲得・育成に関する調査結果をまとめた『ウォー・フォー・タレント “マッキンゼー式”人材獲得・育成競争』で、彼らは来るべき「人材獲得・育成競争社会」を予見しました。 本記事では、激化する人材獲得・育成競争の波を乗り切るためにこの「タレントプール」を活用した採用手法についてご説明します。
【中小・ベンチャー企業で導入すべき理由】
・知名度の低い企業でも、自社の魅力を伝えられる機会を得られる
中小・ベンチャー企業にとっての最大の採用課題は、自社の魅力に気づいてもらうのが困難なことにあります。その点、タレントプールを活用すれば、プールした優秀な人材に少しずつ自社の魅力や採用の熱意を伝えることができ、候補者の自社への転職意向を醸成することができます。これには、「中小・ベンチャー企業は採用に時間をかける余裕はない」と思われる方もいるかもしれません。しかし、優秀人材の獲得は自社の未来を左右する大きな経営課題であり、その解決には多少時間をかけてでも取り組むべきです。この長期的なアプローチは、企業のトップや経営層が積極的に加わればより効果的になります。大企業と比べてフットワークの軽い中小・ベンチャー企業なら、タレントプールの活用ならではの気軽なコミュニケーションがしやすいでしょう。候補者に自社で働く魅力を感じてもらえさえすれば、たとえ大企業と競合したとしても自社を選んでもらえる可能性は高まります。タレントプールは、中小・ベンチャー企業でも大企業と採用市場で渡り合えるようになる、革命的な採用手法なのです。
【大企業で導入すべき理由】
・優秀な人材との接点を持ちやすく、タレントプールを構築しやすい
・採用に時間をかけられる企業体力がある
大企業は、通常の採用募集でも応募者が集まりやすいこと、社員数が多いぶん紹介による人のつながりを多く持ちやすいことなどから、優秀な人材と接点を持ちやすく、タレントプールを作りやすいといえます。また、優秀な人材を口説くために時間をかけられるだけの体力がある点も、タレントプールの特性と合致しています。
このほか、企業規模を問わず共通する導入すべき理由は、「一度接点を持った人材に何度でも声をかけられる」点です。前述したように、人も企業も時間がたてば状況が変わるため、タレントプールを作ってつながりを持ち続けていれば、最初の接点とは違った角度でアプローチできます。また、いざ採用ニーズが発生したときにはすぐ声をかけられるため、改めて求人媒体や人材紹介会社に費用をかけずにすむぶん、コスト削減効果も期待できるのです。
実際、大企業でもベンチャー企業でも、タレントプールの導入事例は徐々に増えてきています。
たとえば、ITベンダーの外資系大手O社。同社の営業系人材は、同業の2、3社のあいだで転職を行うケースが多く、常に優秀な人材の取り合いが起きています。そのためO社では、競合企業に在籍している優秀な人材と積極的に接点を持ち、独自のタレントプールを構築。対象者とつながりを持ち続けながら、タイミングを見計らって採用の案内を行うことで、優秀な人材の採用に成功しています。
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