中小企業庁や厚生労働省から発表された最新データをもとに、日本の中小・中堅企業が抱える人材事情を比較・分析しました。さらに加速する人材獲得競争のなかで、企業がどんな戦略を立て、どんな課題を抱えているかが見えてきました。
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「引き留め」と「採用」。人材を確保するための2つの動きも積極的に
人材を社内に確保するためには、社外から新たな仲間を招き入れる「採用」はもちろん、今いる社員に長く活躍してもらうという「引き留め」の2つが考えられます。
まず「引き留め」については、経済産業省が発表した「平成27年 中小企業雇用状況に関する調査集計結果」によると、2015年は賃金引き上げに取り組んだ企業数が2014年度から3.3%増加し、67.6%となりました。なかでも注目すべきは、賃金引き上げの理由として「人材の採用・従業員の引き留めの必要性」を理由に挙げた企業が47.4%もあったこと。これは「業績回復・向上」の38.1%よりも高い数字でした。
賃金を引き上げた企業のうち、月給の引き上げを行った企業は前年度比で3.1%増の93.4%、ベースアップを行った企業の割合は4.7%増の26.9%となり、中小・中堅企業においても2年連続で賃金状況が改善されています。なお、定期昇給制度を導入していない中小・中堅企業の割合は全体の43%でしたが、こうした企業のなかでも60%以上で月給の引き上げが行われるなど、給与・待遇面での改善を通して、人材確保を狙う企業の姿勢が顕著にあらわれているようです。
次に、採用について見てみましょう。「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」では、人材が確保できている企業とできていない企業の特徴に違いが見られました。最も大きな差としてあらわれたのは「人材獲得のためのノウハウ・手段」(19.3%)。続いて「労働条件」(15.7%)、「賃金」(15.3%)の順になっています。
人材を確保できるか否かを分けるボーダーラインは、賃金や労働条件といった一般的な要素に加えて、企業としての「採用力」とも言える、人材獲得のノウハウが大きな鍵を握っているようです。人材確保に課題を抱える企業は、まず基本的な採用ノウハウを身につけることが求められています。
資料:中小企業庁委託「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」(2014年12月、(株)野村総合研究所)
(注)1.人材を「確保できている」企業は、「十分に確保できている」、「十分ではないが確保できている」と回答した企業の合計。
2.人材採用に関する特徴とは、「強み」と回答した企業の割合(%)-「弱み」と回答した企業の割合(%)を引くことで算出。
3.差分とは、「確保できている企業の特徴」-「確保できていない企業の特徴」から算出した。
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