Eコマース企業を中心に、ロジスティクスへの投資が活発だ。なぜこれほどロジスティクスが重視されているのか。これまでマーケティングといえば、顧客へのリーチと購買までの領域のことだった。ロジスティクスへの現場では何が起きているのか。
倉庫内には、購買データにもとづいた入荷された商品が並び、配送頻度の高い製品が前に出され、スピーディーに配送される。配送トラックには「デジタコ」が装備され、顧客との「ラスト1インチ」までデータ化される。そうして集められたデータは、かつてマーケティングで集められたデータとは質も量も異なる。
ただし、荷主企業1社では、こうしたデータを集積し、分析し、戦略として構築するのは簡単ではない。
それを可能にしたのは、3PL企業だ。それまで荷主企業は、大きな投資をし、試行錯誤を繰り返しながら物流システムを作り上げてきたわけだが、3PL企業というプロのロジスティクスカンパニーが現れ、ITによるロジスティクス戦略を大きな投資も必要なく導入できるようになった。
そしてロジスティクスの豊富なデータを活用することができるようになった。
しかし、日本ではロジスティクス領域のデータが蓄積され、本格的に活用され出したのはごく最近だ。大手通販企業にしても、ロジスティクスの豊富なデータを十分に活用できているとはまだお世辞にもいえないだろう。
トラックドライバー不足、労働者不足が叫ばれるロジスティクス業界だが、本当に不足しているのは、ロジスティクス領域にある大量のデータを経営戦略へと落とし込むことができる戦略立案者だ。
この先、間違いなくロジスティクスを起点としたマーケティング戦略が必要になる。ロジスティクスを起点とするマーケティングは始まったばかりだ。
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2018.02.04
2018.03.10